つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

英乃海らは桃田選手の例を知らなかったのか

 またまた大相撲界で不祥事が起きました。幕内前頭の英乃海と、来場所で新十両となる芝改め紫雷の木瀬部屋の2人が違法賭博に関わり、来場所出場を控えるとのこと。英乃海は小兵力士、翔猿の兄貴だということで有名ですが、取り口自体に魅力がなく記憶に残らない力士です。一方、芝は長年幕下上位にいて、29歳でやっと十両の地位をつかんだ苦労人。なのに、新十両の場所に出られず、再び幕下に逆戻りとは哀れでなりません。2人とも日大相撲部出身とか。別段、ヤミ賭博参加と田中英壽理事長の事件とは関係ないのですが、日大とその名門日大相撲部の名誉を汚してしまったという点では残念です。

 まあ、長い間コロナ禍による外出禁止令で、力士もストレスが溜まっていることは分かります。相撲部屋のむくつけき男たちの世界にずっといるのはうんざりでしょう。それで、ちょっと息抜きとの思いで違法賭博場に出向いたのでしょうが、それが浅はか。彼らは自分たちの体型のことをもっと知るべきです。あんな大柄な人間であれば、どこでも目立つ。帽子で髷を隠したとしても、体型やびん付け油の匂いで何者かがすぐに分かってしまいます。分からないだろうと考えていたとしたら、ノー天気、いや阿呆の極みです。

 違法賭博場には危なそうな人も出入りしているので、当然目立つヤツをスマホで撮影していた人もいたかと思います。それが後日、脅しのネタに使われる恐れもあるのです。違法賭博場に出入りしていたバドミントンの桃田選手もその類いでの告発でしょう。長期間公式試合の出場停止となり、実力的に全盛期にあったリオデジャネイロの五輪を棒に振ったのです。今年の東京五輪ではもう下り坂にあったのか、1回戦負けです。まあ全盛期に五輪に出られなかったのはアスリートの悲劇ですが、それも身からでた錆。そんな他競技の選手の例を英乃海、紫雷らは知らなかったのか。博打がしたいのなら、公営の競馬、競輪、オートレースがあるし、パチンコ、宝くじもあるでしょう。

 規律違反ということで思い出すのは、ヤミキャバクラに出入りしていた高砂部屋の元大関朝の山。違法賭博参加ほど悪質ではないが、コロナが大流行している時にわざわざ深夜、部屋を抜け出してそんなところに行く神経が分からない。彼は大関ですから、英乃海、紫雷以上に目立つ。周囲はすぐに気づき、悪意を持ってメディアにタレ込む可能性が大です。また、朝の山を誘っていたのがスポーツ新聞の記者というのですから、開いた口がふさがりません。まさにミイラ取りがミイラ。これはメディア記者全体の劣化か、それとも販売部数が激減したスポーツ紙記者のやけっぱちの行動なのか。

 朝の山は1年間の出場停止ですから、再出場が叶うのは来年の名古屋場所とか。次の初場所では十両に後退しますから、あと3月、5月と出られないとなると幕下陥落は免れれません。アスリートが1年間、その力量を発揮できないというのは切歯扼腕ものでしょう。でも後悔だけしててもしょうがない、捲土重来を期して辛抱するしかありません。逆境の時にどれだけ自己研鑽し、実力を蓄えられるかで、人間の真価が問われる。と言う意味で、来年の名古屋場所の朝の山がどうなるかが楽しみです。


 上の写真は、横浜・伊勢佐木町モール近くにあるジャズバーと、加藤清正を祀った清正公廟。清正公通りは横浜・関内周辺の歓楽街の真っただ中にあります。

アパレル社長の宇宙行きは大偉業だ

 年末はいろいろ話題が豊富です。取りあえず、今日宇宙から帰還したzozoの前澤友作社長の話題から取り上げます。正直、あの田舎臭い顔は宇宙空間に似合わないけど、その行動力には尊敬の念を覚えます。米国ではIT、EV関連の最先端企業のオーナー、CEOが宇宙に関心を示しますが、まさかアパレルメーカーの御仁までとは…。なんてと思うのは大変失礼ですが、失礼を承知で言えば、これが率直な感想です。いずれにしてもものすごい偉業だと思います。 

 テレビのワイドショーを見ていたら、宇宙に行くのに100億円単位の金がかかるそうな。ですから、コメンテーターは「もっと他に金の遣い道があるだろう」「金がなく満足な年越しもできないような人が大勢いるのだから、彼らにプレゼントすることは考えなかったのか」などと批判していました。それも正論でしょうが、ある意味、余計なお世話。自分で儲けた金は基本的に自分で自由に遣う権利があります。彼は昔からの夢を実現させるために大金をはたいたのです。企業をやってきたのもその目標があったからだと思います。長年の夢実現、それはそれで立派なことではありませんか。

 衆院細田博之議長が今日開いた政治資金パーティーの席上、一票の格差是正のために政府が「10増10減」を進めていることに苦言を呈しました。「地方の議員を減らして都会の数を増やすだけが能じゃない」と語ったとか、まったくの正論で、小生はまったく同感です。彼は島根県の出身で、次の10増10減の影響は受けない。でも、敢えて正論を吐いたのです。これまた立派な行動です。田舎の議員を減らして首都圏の議員数を増やしていったい誰が喜ぶのでしょうか。

 首都圏の議員はますます選挙区の区割りが小さくなるので、どぶ板選挙に追い込まれ、他党のライバルに勝つために果物や肉を配ったりしなくてはなりません。そういう議員はすでにいました。国全体の政策、例えば外交、安全保障政策などを考える余裕がなくなってしまうことも考えられます。また、首都圏は人口流動が激しいので、有権者は議員との接点が案外ない。そのために議員の信条や行動を見ることなく、時世の風に流される投票行動になります。テレビで風が作られるとワッーとそちらの方になびく可能性が大です。それは一種危険な衆愚政治につながる恐れもあります。

 一票の格差是正なんて実にナンセンス。これを吹聴しているのは、恐らく左派系の弁護士連中かと思います。左派系連中は都市の議員数が多くなれば、有利になると考えているようですが、実はそれほどでもないのです。風に左右される分だけ安定的に当選を重ねるのは難しい。これは左派であろうと、保守であろうと同じです。長く議員が続けられないとなると、さまざまな分野の人たちと交流し、意見をくみ上げることはできず、地に足を着けて政策を練ろうという気持ちは起きない。都会集中の議席構成は”風選挙”を呼び、結果として国民を不幸にしてしまうだけです。

 最後に神田沙也加さんの死去について。正直なところ小生には、35歳という生命の盛り、美しさの絶頂の時に死ぬのか、あるいは死を選ぶのかという感傷しかありません。公演のため滞在していた札幌のホテルを見ると、どうも事故、他殺には見えない。恐らく自ら死を選んだのだと推察されます。で、ワイドショーなどはそれを前提に、盛んに「悩んだ時にはどこそこに電話ください」などのテロップを流していました。自殺だとしたら、悲しすぎます。

 彼女は才能豊かなタレントだったと思います。映画「アナと雪の女王」で彼女の歌声を聞きましたが、母親譲りの高音が素晴らしかった。見るところ、仕事、彼女の場合ミュージカル女優としての仕事は順調だったようだし、いったい何に不満があったのだろう。うつ病にかかって発作的、衝動的に飛び降りたか。小生は子供がいないので実感できないのですが、もし親だったら、悲しんで余りある。子供は親より先にあの世に行こうとしてはいけないのです。

 上の写真は、雨の日の国会議事堂。衆院第一議員会館で講演会があった時の撮影。銀杏が散りかけている。

不満、怒りで暴力行動に出る限界点って何?

 最近、テレビのニュースを見ていると、列車、自動車、商店で刃物を持って暴れたり、ガソリン、石油などを撒いて火をつけたり、こん棒で商店のガラス窓や陳列ケースを叩き壊したりする事件が多発しているように見受けられます。よくよく考えると、新型コロナウイルスで外出規制がかかり、世間の動きが止まっていた期間、昨年の春から夏にかけてはそんな事件はなかったように記憶します。本来は、外出禁止で抑圧状態になったときほどフラストレーションがたまり、起こり得る事件ではと想像するのですが、今秋から初冬にかけコロナが鎮まり、人々が大勢外に出始めるとそんな事件が続出するとはいったいどうして。

 でも、世間が沈静化している時に、街に出て暴れることがないのは何となく分かるような気がします。秋葉原でトラックを暴走させたのも休日で人出の多い時ですし、京王線で火を放ち、刃物で暴れた若者も10月末のハロウィンの夜でした。自殺者が列車に飛び込むのも月曜日の朝、ラッシュ時が多いというのは昔から言われていることです。人間、どこかに自己顕示欲があるせいか、罪を犯す時でも、死ぬときでも、存在感を示したい、誰かに見守られたいという意識があるんでしょうね。

 それに世間が沈静化している時に、人間は概して気分が高揚せず、何か新しいことをしたり、創造的なことをしようとしたりする気力が湧いてきません。犯罪者、自殺者も同じ心理状態で、犯罪、自殺に至る衝動にもそれなりの高揚感、エネルギーが要るのでしょうか。闇夜に鉄砲をぶっ放すより群衆に向かって発砲するというケースが圧倒的に多いことは米国の銃乱射事件でも証明済みです。

 でも、巻き添えを食う方はいい迷惑です。日本は米国のように銃の所持に制限があるので、それだけでも救われます。ナイフ、こん棒だけなら大規模な死傷者が出ることはないですからね。ただ、迷惑と言えば、特に通勤時間帯での電車への飛び込みは最悪。小生、今は一定の場所に通う仕事をしていないので関係ないのですが、サラリーマン時代にこんな目に遭った時には、思わず「死にたいなら一人勝手に死ね」「富士山麓青木ヶ原で首でも吊って」との罵声でも掛けたくなりました。

 それはともかく、人間は普通、自らに何か不都合があってもじっと我慢するものです。不満や怒りを暴力で発散したり、死を選んでしまったら、体や命がいつくあっても足りません。憂さ晴らしは人によってまちまちでしょうが、自分なりの”健全な”方法を見つけて実践された方がいいように思います。小生の憂さ晴らしは酒かな。あるいは散歩、ハイキング。普通、男は飲む、打つ、買うという晴らし方があると言われていますが、小生は怒りや不満の時に打つ、買うという衝動は起きなかったですね。

 怒りや不満で自暴自棄になって命を縮めたり、刑務所に入ってしまうような行動を起こす境目、限界点って何だろうといつも小生は思います。暴発する人は、その結果などは考えないんでしょうか。もっとも考えられる人だったら、恐らく限界点を超えることはないでしょうから。生きてたら楽しいことはいっぱいあるし、旨いものも食える。死んだらおしまいだし、犯罪で刑務所に入るのも御免被りたい。小生は希代の寒がりなので、暖房が十分でないところで過ごすなど想像しただけでも嫌だ。というわけで、小生は衝動的行動に縁がありません。

 上の写真は、浅草・駒形にあるフレンチレストラン「ナベノイズム」の入り口とそのベランダから見た墨田川の景色。

新庄の経済効果、60億円どころでない!

 よくよく考えると新庄剛志という男、サッカーの大迫勇也並みに半端じゃない。日本ハム監督就任記者会見の時のいでたちを見ると、小生はこいつ馬鹿か、単なるナルシストかと思いましたし、内人などは吐き気がするほど毛嫌いしていました。でも、後から冷静に見てみると、あの軽薄の極みのようないでたちは彼にとって計算済み。目立つこと、話題づくりによって北海道のチームをもう一度盛り立てたいという健気な思いがあったのでしょう。彼を監督に選んだ会社側にしてみても、彼が目立つことを望んでいたのであり、計算通りの状況ではないでしょうか。

 ある調査によると、新庄が監督に選ばれたことでの経済効果は60億円だと言います。小生が見るに、60億円どころで済まない、その数倍はあると思います。これまでのメディアの報道ぶりからも十分効果の発揮が見て取れる。まず日ハムの秋季キャンプが取り上げられ、その場に行った新庄は感想を聞かれ、トライアウト視察に行った時にインタビューを受け、さらには野村克也の偲ぶ会でも注目されました。今後も、年末年始にかけてどこに行くにも記者が付いていき、報じると思います。例えば、初詣でにどこに行ったかとか、選手の自主トレを見に行ったかとか。

 スポーツ新聞社にとって冬、特に12月はもっともネタに困る時。だから、野球については、どの選手が年棒改定でいくらいくらになったとか、薄給の読者にとっては別段興味もないニュースを大々的に報じるのです。そんな時にスター性十分の新庄は格好のネタになります。来年度から中日の監督になる立浪和義の方が現役時代の成績がはるかにすごいのですが、彼の一挙手一投足は今、全国ニュースになっていませんよね。かつての長嶋選手ではないが、選手は成績でなく、インプレッションなのです。

 新庄は確かにナルシシズムの極致で、目立ちたがり屋。でも注目されるに値する能力もあり、努力もしています。鎌ヶ谷の秋季キャンプに行って、遠投などで選手たちにアドバイスをし、清宮幸太郎に減量を言っていましたが、的確だと思います。彼は野村監督から一時、二刀流を進言されるほど強肩ですし、彼の体型は現役時代と変わらないくらいスマートですから説得力があります。インタビューでの話しぶりも偉そうではないし、嫌味がない。むしろほのぼのとした印象すら与えます。で見ると、これまでのところ、新庄を監督にして良かったと日ハム本社も感じていると思います。

 でも、本当の評価は来年のペナントに入ってからでしょうね。もし、負けが込めば、あの”軽薄さ”が裏目に出て何を言われるか、くそみそに言われかねません。残念ながら、西川遥輝、太田泰示、秋吉亮という優秀なバッター、投手を自由契約にしてしまいましたから、他チームから優秀な選手を獲らない限り、来年の戦力低下は免れません。新庄自身は2軍にいる若手の台頭に期待しているようですが、それほど簡単でもないでしょう。

 やはり、外人選手頼みでしかないのでしょうから、稲葉篤紀GMも本社も協力してあげてください。来年は最下位を脱し、Aクラス入りすれば良しということでしょうか。でも再来年はそれで許してくれません。新庄人気だけでは限界がありますから、強くならなければ、札幌ドーム、いや新球場に客は来ません。ということで、新庄ビッグボスにはぜひ格好だけでなく野球の強さでも目立つよう頑張ってもらいたいと思います。

 上の写真は、横浜・野毛の飲み屋街、昼間の風景。野毛には若者向けの面白い店が多い。

自民党は改憲の”やるやる詐欺”を止めよ

 日本維新の会のだれかが「自民党憲法改正は、やるやる詐欺だ」と、面白いことを言っていました。確かに、言い得て妙ですね。安倍内閣のときも、改憲勢力が国会議員の3分の2以上あったのにもかかわらず、安倍もそこまで乗り出さなかった。一番改憲をしたがっていたのは安倍氏自身であったと思うのですが、、。改憲自民党の結党以来の党是なので、この党のだれが総理になっても条件さえ整えば着手するのが義務なんですが、どういうわけかやる気がない。これじゃ、維新から「やるやる詐欺だ」と言われても仕方がないですね。

 安倍が手を付けられななったのは、連立与党の公明党への配慮もあったのでしょう。連立の手前、「加憲が必要」なんてあいまいな表現でごまかしていますが、公明は基本的に護憲政党です。それに対し、維新は改憲積極派です。このたび維新と国会での連携を約束した国民民主党改憲派です。で、両党の議席が増えたことを奇貨として、維新の松井代表は「来年夏の参院選までに改正案をまとめて国民投票にかけよう」と自民に対し、期限を切るよう迫ってきたのです。

 来年の参院選まで半年余であり、改憲の中身は多岐にわたるので、正直とてもまとまるものではありませんが、松井がそういう形で急かせたのは良いことだと思います。恐らく国会も始まったので、憲法改正審議も本格スタートするのではないか。取りあえず、各党で了解できるところから、例えば、首相に7条解散のような恣意的な解散権を与えないとか、災害発生時の緊急事態権限の強化、環境の権利を書き込むとか…。その辺から改正案を考えていったらいいと思います。

 現憲法によれば、改憲の発議には、国会の衆参各院で定員の3分の2以上の賛成が必要とされています。衆院だけを見れば自民が261、公明が32、維新が41、国民が⒒。公明の基本スタンスはともかく、自民と連立している限り改憲勢力と見なしますと、衆参の改憲総勢力は345議席。そのほか立憲や無所属からの同意者も出ると思うので、改憲の発議に必要な3分の2の310議席は十分にクリアしています。残念ながら、現時点では参院改憲勢力は164議席。3分の2の議席を確保するには微妙な状態です。

 ですから、松井の心底には、来夏の参院選を前に憲法論議を高め、その中で改憲勢力を増やしたいとの思いがあるのでしょう。要は、改憲に疑義的な公明議員を減らし、自民、維新、国民の数を増やしたいということでしょう。今、世論調査をすると、改憲に賛成という人たちが半数を超えています。改憲プロセスは、国会で通過したあと次に国民投票過半数の支持が必要ですが、世論調査を見る限り、改憲は成立する可能性が極めて高いのです。

 一番必要なのは参院改憲支持議席。現在は微妙な議席状況ですから、3分の2以上の明確な改憲勢力が必要。その意味では、来夏の参院選が天下分け目の関ヶ原になります。ぜひ立憲、共産の議席を減らし、改憲勢力を伸ばしたいですね。自民党も「やるやる詐欺」を止めて、本当にマジに改憲に踏み出して欲しい。選挙でも改憲を訴えて欲しい。よく野党の連中は、「自民党は選挙期間中に改憲のことなど少しも持ち出さず、選挙が終わると言い始める」と揶揄します。確かに、その嫌いはありますね。自民党も今や、腹をくくって改憲に取り組むべきです。

 上の写真は、渋谷ハチ公前のJR駅壁にあるレリーフ

田中英壽が大相撲に入っていたらと思うと…

 日大の田中英壽理事長が脱税の罪で逮捕されました。この人、もともと理事長としてでなく、数々の有名関取を輩出した日大相撲部の監督として有名でした。本人も、あの輪島がいた時代の元学生横綱。相撲好きの小生から見ると、素晴らしきスポーツマンという印象で、ある意味尊敬の目で見ていました。ところが、どう心境の変化があったのか、彼は学生10万人もいる大学の長になったのです。どうしてそんなポストになりたかったのか、スポーツマンも権力に求めたがるものなのかに大変興味を持ちます。

 ある雑誌で、田中英壽がもしプロの世界に入っていたら、どこまで出世したであろうかという話が出ていました。あの当時の学生横綱ですから、間違いなく幕内、それも三役までは行くでしょう。問題は、輪島のように大関横綱まで行くかということですが、恐らくそれは無理なような気がします。輪島は「黄金の左」と言われたくらいに、左四つに組むと実にいい位置の左下手を取り、右から厳しく押っつけていました。相手はそれに反発しようとすると、輪島は透かさず相手の力を利用して左下手投げを繰り出すのです。

 つまり、輪島は右押っつけがすごかったので、左下手投げが有効でした。普通、下手投げを得意にするのは智ノ花、舞の海里山(彼らも日大相撲部出身)のような小兵力士。輪島のような大型力士の技としてはそぐわないのですが、多くの力士もそう考えて輪島の下手を軽視してしまい、結局、黄金の左で投げ飛ばされてしまうのです。実に巧妙な作戦、頭脳的な技でした。田中英壽にそこまでの技があったかどうかは疑わしい。でも、田中が角界入りしていたら、輪島を超えるスパースターになっていたと持ち上げる雑誌もありました。

 それはともかく、田中は角界入りを避けて日大の職員になったのです。驚きです。もちろん、この時点で、将来、相撲部の監督になることは想定していたのでしょう。でも、日大全体を牛耳りたいとまで思っていたのであろうか。理事長就任以降の権力志向、その体制構築からすると、案外そういう野望があったのかも知れません。というのは、あのふてぶてしい顔。絶対的な権力者の顔です。あの顔から何かを恐れるという畏敬、他人への謙譲心を持つというような謙虚さはみじんも感じられません。

 アメフト問題が起きた時も、何のイクスキューズもせず、無言で通しました。アメフト事件は間違いなく意図的に相手の特定選手を攻撃したもので、攻撃した選手自身もコーチから教唆を受けたと証言しており、刑事事件にもなり得たケースです。だが、田中は記者会見の席には一切出ず、飲み屋の帰りにマスコミのインタビューを受けた際も「わしゃ、知らん」の一言でした。高等教育機関、しかも日本で確固たる地位を築いている総合大学の長として、飲み屋帰りのこの態度はいかがなものか。日大の品性にも関わると思いますが、、。

 田中が行くことも考えられた大相撲でも、何度も不祥事が起きました。ですが、その都度、相撲協会は謝罪し、解雇や降格などで然るべく対象者を処分してきました。現在の八角理事長も、その態度から謙虚さが感じられるし、権力臭は漂っていません。日大よりははるかに健全なような気がします。であれば、田中が大相撲に入り、親方になって理事長にでも就いていたら、へんな相撲協会になっていただろうなーと相撲好きの小生などは要らぬ心配までしてしまいます。

 上の写真は、小生自宅近くの寿司屋店頭にある美空ひばり像。下の写真は、渋谷地下街にある売店で見かけたハチ公ぬいぐるみ。

泉代表は立共提携派幹事長と協調できるのか

 立憲民主党の代表選が終わったので、一応感想を書いておきます。最終的に泉健太が選ばれるだろうとこのブログでも書きましたが、その通りになりました。この結果を見る限り、大勢はまだ中道志向が強いのかなと思います。ただ、一つはっきり言えることは、泉新代表を含めてまだ立共連携についてはいまいち明確な決別宣言はなく、曖昧な形を残しているということ。まあ、来年夏に参院選があるから、引き続き共産の票を失いたくないと思っている候補者が多くいるからと思いますが、小生が大胆に予想するに、立共連携に固執すると参院選でも現有議席を確保するのは難しいでしょう。

 共産党志位和夫委員長は、今回衆院選の立共連携の結果、立民や共産の議席を減らしたことについて、「国民がまだ十分われわれの主張を理解していなかったから。もっと理解するように努力が必要」と語っていました。この総括、分かりやすいようで、よくよく見てみると、なんと選挙民をばかにした言葉ではないかと思えてなりません。つまり、われわれの主張していることが正しいのに、選挙民が無知だからわれわれの正しさを理解できないのだと言っているに等しいのです。

 なんと、唯我独尊、上から目線の総括でしょう。共産党が主張していることが唯一正しく、それを理解できないのは国民がおかしいという思考回路であり、教条主義そのものです。ふざけちゃいけない。国民の大多数は共産党の主張を十分理解し、その上で「ノー」のサインを出したのです。だから、今後何回選挙をやっても、3-5%の支持率である共産党への支持アップは望めないと思います。それだけは明確です。

 泉代表が新執行部を発表し、代表選に出た逢坂誠二を副代表に、西村智奈美を幹事長に任命しました。まあ、逢坂は老練政治家であり、それなりの重みのある人ですから副代表に就くのは問題ないでしょう。でも、西村を党の要である幹事長、党を代表してしばしば発言機会がある要職に据えたのは理解に苦しみます。西村は顔が暗いうえ、代表選の討論で分かるように左派、立共提携推進派の人です。中道派の泉が今後、枝野路線を変えるとしたら、幹事長との間で齟齬を生じ、気まずい状態になるのではなかろうか。

 それでも、共産党の票欲しさに多くの参院選候補者の支持を受けて、西村幹事長がしゃしゃり出て、立共提携に前向きの発言をする可能性が大。加えて、今の泉の態度は曖昧模糊、いまいち明確な路線を示していません。気持ちは離れても、体が離れられない男女関係みたいに、恐らく来年の参院選でもずるずると立共提携を続けていくのかも知れません。それはそれで一つの判断ですが、小生が予想するに、多くの選挙民は「立民はまだ性懲りもなく、共産党と抱き合いかい」とうんざりするに相違ありません。決して良い結果は出ないと思います。

 立共提携で喜ぶのは自民党でしょう。ああ、これでまた野党、特に立民党は自滅していくと思っていることでしょう。自民党の岸田政権は今、新型コロナウイルス株オミクロンに対して、外国人の来日を止める、特効薬を早期に解禁するという実に適切な対応を取っています。また、コロナ感染者は諸外国の増加傾向とは反対に、国内では今終息の状態にあり、自民党には好ましい傾向。参院選まであと8カ月弱でまだ予断は許さないとはいえ、今の情勢から判断すれば、自民党が負けることはないと思われます。

 上の写真は、多摩市の永山団地内にある紅葉樹。下の方は、メタセコイアの紅葉。きょう、紅葉を見に多摩市、町田市方面にハイキングに出かけました。