つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

2021-02-10から1日間の記事一覧

「散切り頭の新八独り旅」その3

第三章 娘の消息を尋ねて 明治二十四年(一八九一年)三月末。春とはいえ、早朝の京都はまだ寒い。 寺の本堂から大勢の僧たちの読経が聞こえてくる。 永倉新八にとっては、新選組の屯所としていた時代に慣れ親しんだざわめきで、妙に落ち着いた気分になり、…