つれづれなるままに-日暮日記

現世の神羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

横浜市の”傾き”マンションは大きな問題か

 横浜市都筑区鴨居駅近くに建てられた大規模マンションの一棟が傾いたとして大きなニュースになっています。杭打ちを担当した旭化成建材の親会社、つまりあの大企業の旭化成の社長まで記者会見に出てきて、涙ながらに謝罪していました。確かに、住民にとっては大変なことでしょうが、よくよく考えてみると、並行して建てられたマンションとわずか2・5センチのずれとのこと。失礼ながら、それほど大騒ぎすることはないように思われます。
 実は、前回ブログでも取り上げた地域興し勉強会・研究会の宴会に出席した一人がこの都筑区在住の人で、しかも自治会の役員もやっているのでこの問題をよく承知しています。彼の話によると、たまたま同様マンションが隣接していたので、ずれが発見されてしまったけれど、一棟だけのマンションならよくあることだそうです。しかも、横のずれであり、建物そのものは上下に傾いていないので、部屋の中にボール(球形物体)を置いてもころがることはないそうです。
 問題のマンションが建てられた土地はもともと湿地帯で、土盛りされて自動車部品工場が建てられ、その後に工場が移転してマンション用地となったとのこと。工場は住宅ほど土地の硬軟を重視しませんから、土地の造成がいい加減であったことは事実のようです。今回のマンション建設で杭のほとんどが支持層(固い層)に届いていたのですから、一部の杭に届いていないものがあったとしても、マンションの構造そのものには影響がないのではないかと友人は言うのです。
 小生は友人の説が正しいのかどうかは分かりませんが、2・5センチ程度の横のずれということを考慮すると、土地の軟弱性によって起こり得る、よくある話という説に与してしまいそうです。要は、同様のマンションをすぐ脇に建てて、ずれを際立たせてしまったのが建設設計の”ミス”であって、たとえば、建物間を数メートル程度に離しておけば、一般にずれは気づかれなかったのではないでしょうか。
 マスコミ報道もセンセーショナルな感じがします。旭化成建材の杭打ちが全国で3000か所以上に及んでいると報じた上、同社のかかわったマンション全部が欠陥であるような印象を与えました。でもそんなことはありえない。小生は、甘いかも知れませんが、日本企業人の職業道徳意識を信頼しており、ほとんどのビル、マンションは正常に杭打ちされていると信じています。
 以前、姉歯秀次という一級建築士が設計したビル、マンションに鉄筋が少なく、耐震性が欠如しているのではないかと問題になりました。だが、その後に2011年3・11の大震災が起きても、姉歯設計のどの建物も倒壊しなかったのです。マスコミは姉歯事件の時、建物が明日にでも倒れるのではないかのようにかなりファナティックに報じながら、大震災後に姉歯設計ビルの倒壊がなかったことにはまったく触れませんでした。
 この話は前にも書きましたが、姉歯氏は単に、阪神大震災以前の基準に戻しただけだったのです。阪神大震災後に建築基準が一段と厳しくなったのですが、同大震災以前の建物もそれなりの耐震性が要求されていましたから、簡単にはつぶれません。新基準を軽視した姉歯氏は確かに悪いのですが、それほど大騒ぎする必要はなかったように思われます。

 上の写真は、松江城天守閣をバックに撮った一枚。松江城は最近、重要文化財から国宝になったとされ、地元では観光の大きな目玉にしようとしています。