つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

高齢福祉より子育て世代に手厚く

 厚生労働省傘下の社会保障・人口問題研究所が最近、発表した調査結果によると、日本で終身未婚者、つまり一度も結婚しない人の割合が男性で23・4%、女性で14・1%とのこと。つまり、男性では限りなく4人に1人、女性では7人に1人という割合で独身を通している人がいるのです。さらに悪いことに、この数字は2030年には、男性では29%に達するようです。
 また、小生がかつてある調査で知ったのですが、30歳までに結婚しない男性は37%、女性でも27%くらいいるとのことでした。結婚するにしても、晩婚化が進んでいます。晩婚であれば、子作りもかなり限定的になってしまうでしょう。これでは、政府が少子化防止、子作り奨励などと言っても、笛吹けど踊らずの感じですね。
 厳密にいえば、結婚と子作りは関係ないんですね。フランスのように、未婚でも、母子家庭、父子家庭でも子供を育てられる社会態勢であればいいわけです。人口を一定以上に保つことは国家の要諦。子供は社会全体の宝ですから、社会全体で養育できるシステムを作るべきだと思います。が、残念ながら、今の日本はまだまだ条件整備ができていません。消費税率のアップで、政府・自民党は子供の養育費、教育費手当を充実させようとしており、西欧先進国に近づこうとしていますが、これは良い方向です。
 自分が老化しているから、もっと老人に手厚くすべきだなどと本来は主張したいところですが、小生は言えない。老人へのケアはほどほどでいいと思っています。若年に予算を多めに配分しないと国家の将来性はないですから。60歳以上だと映画は1000円で見られますし、70歳を超すと、地方自治体は市営バス・地下鉄の割引を設けたりしています。
 交通機関の割引は行政の有難い配慮なのでしょうが、小生は正直なところ、要らないのではないかとさえ思っています。予算配分をゼロサムで考えるならば、そんなことするより、子育てで頑張っている若年夫婦にその金を回せと言いたいです。小生自身は子供も孫もいないのですが。
 横浜市では65歳以上の市民に、「浜ともカード」なる高齢者優待カードを発行しています。小生も一応持っていますが、これまでただの一度も使ったことがありません。レストランや一定のサービス施設料金が割引になるのですが、小生はその使える場所も承知していませんし、第一、〇に「寿」の字が書かれたカードを会計時に出すなんてとてもできません。自分の歳が「寿」などと無理やり意識させられるのは嫌です。
 そうは言うものの、老齢割引を使うこともあります。唯一、横浜シティーエアターミナル(YCAT)から成田空港までリムジンバスに乗るとき。通常料金片道3600円ですが、それが65歳以上なら2000円と安くなるのでありがたい。会計の際に、〇に「寿」の字のカードを示す必要がなく、単に生年月日が書かれたパスポートを見せればいいのですから、特段老齢を意識しないで済みます。しかも、リムジンは民営バスですから、安くされても税金に負担はかけません。
 小生の老齢の話はともかく、国全体として真剣に少子化対策に取り組まなくてはならないと思います。人口が減れば国力も減退する。老大国、人口減となれば、本格的に大量の移民受け入れなどの措置も考えざるを得なくなるのでしょうが、それはそれで賛否あり、難しい問題です。

 上の写真は、野毛の飲み屋街にあるイタリアン・レストラン前の「真実の口」。これを見るたびに、「ローマの休日」でのグレゴリー・ペックオードリー・ヘップバーンのやり取りを思い出してしまいます。