つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

貯蓄、資産課税強化はいい方法か

 前回に続いてまたまた、橋下「大阪維新の会」の船中八策についてですが、この中で、貯蓄、資産への課税強化をうたっていますね。何か社会主義的な政策で、ちょっと感心しません。理想としてはこういう主張も必要あるのでしょうけど、貯蓄、資産への課税強化は、経済の活性化を狙いながらも、結局、逆効果になる可能性が大です。
 貯蓄課税については、これまでもさまざまな人から出ていました。つまり平たく言うと、預貯金の「マイナス金利」ということでしょう。日本の企業・団体向け口座では今でもそうですが、少額の預貯金だと銀行は管理費として毎月一定額を引き落とします。これに税金を上乗せすれば、徴収は比較的楽にできるわけです。もし、この課税が実現すれば、財務省は喜ぶでしょうね。
 また、銀行に金が貯まりすぎて動かないと経済が活性化しません。その点、預貯金に課税すれば、金は消費されたり、株式市場などに回ったりの動きが生じるかもしれません。でも、冷静に考えてみてください。個人預貯金から毎月一定額を引かれたら、その個人は銀行に預金すると思いますか。
 今でも、金利がゼロポイント以下では預けるうまみがないとして、タンス預金にしている人は数多くいます。また、タンス預金であれば個人の資産が把握されません。よく銀行から100万円以上の金を下ろすと、行員さんは必ず「何に使うのですか」と聞きますが、タンス預金であれば、こんな煩わしさもないのです。密かに海外に出ていく金のあるでしょう。したがって、貯蓄課税は間違いなく、資金のアンダーグラウンド化を促します。
 資産税は今でも固定資産税、都市計画税などの形でありますね。土地や建物の不動産は所有が明々白々ですから、徴収しやすい。しかも不動産収入は金持ちの不労所得的なイメージがありますから、持たざる者、真面目な労働者にとっては、不動産課税は快哉ものかも知れません。小生も感情的には、自らが住まない土地、家の不動産には固定資産税をさらに上乗せしてもいいのかなとも思ったりします。
 でも、これも冷静に考えてみてください。日本の金は「土地本位制」と言われるほどで、経済力はある程度不動産で担保されています。もし、この課税を強めると不動産の購買力、流動性が衰え、不動産価格が低迷し、結果として経済の発展を損ねる恐れもあります。資産課税強化はすなわち、金の卵を産む鶏から手早く金の卵を取り出そうとして結局鶏を殺してしまうことに等しくありませんか。
 やはり、いい税収方法は消費税です。先進国の欧州各国が等しくやっているというのはこの方法が一番優れているからだと思います。徴税もしやすいし、安定的であるし、しかも不平等感がありません。ですから、この税制強化に反対するエセ政治家は追放すべきです。
 下の写真は、宮城県石巻市海岸地区の津波被災地での一枚。