相撲を語源とする例え言葉って多いけど、今の貴乃花親方を見ていると、まさにこれこそ「一人相撲」という言葉がぴったりなケースはないように思われます。いや単に一人相撲なら勝手にやってくれということですが、今の彼の行動を見ていると、何を目的にしているのか分からず、しかも無言を通すことで限りなく大相撲界に混乱を招いているという感じがしてなりません。
彼をめぐる謎の一つとして、日馬富士の暴行事件で警察に被害届を出しながら相撲協会には報告しておらず、相撲協会が後から彼に連絡を取ると、「自分はよく分からない」と述べていたこと。もし、相撲協会に不信感を持っているのでしたら、その時点で報告しなかった旨をはっきり告げるべきだったでしょう。それなのに、相撲協会にはあいまいに返事をして惑わせ、事件を大きくするような行動を取ったことは理解に苦しみます。
さらに、警察に届け出たのはこの事件をうやむやにしたくないという強い決意があったのだとしたら、現在はすでにマスメディアがこの事件を大々的に報じているのですから、その目的は十分に達せられたはず。であれば、今こそ積極的にメディアの前に出てきて自分の思いや相撲協会への不信感を明確に話すべきであると思うけど、それもしていない。相撲協会の理事会でもだんまりを決め込み、反抗的な態度を見せるだけで、これまでの行動に対する理由説明もしていない。
暴力事件は日馬富士が責任を取って引退という形で決着したのに、その後の貴乃花の行動によって却ってこの事件は相撲協会の”内紛”という形になり、さらにヒートアップしてしまいました。では、貴乃花は”内紛”を作り出すことで何を企んだのか、何の目的があったのか。権力闘争仕掛けて自らが理事長になりたいと考えていたとしたら、残念ながらもうその可能性はゼロに等しい。
彼の一連の行動は大相撲の土台をアンダーマインする（壊す）、とてつもない「シロアリ」的行動です。自身が理事の一人とし相撲協会を支えるべき立場にありながら、この世界で生き、そこから糧を得ているという自覚を一切感じさせない、反逆的行動ばかり。これでは貴乃花の”改革”を支持してきた年寄の中からも、今回の件で彼を支持する人は出てこないでしょう。
大相撲ファンからすれば、一連の騒動がひとり貴乃花親方だけの問題でなく、相撲協会全体の管理能力を疑わせ、ひいては土俵内容への不信感を募らせる思いも抱かせました。テレビのワイドショーでは、ファンの中には「これではもうゆったりと大相撲を楽しめない」との声もありました。土俵外の”乱闘”は、力士間にしろ、年寄間にしろ、決して見たくないしろものです。
相撲熱に冷水を掛けた貴乃花の責任は甚大です。それで、貴乃花親方の処分はどうなるかですが、横審委員の中には、一連の混乱の責任を取って親方の廃業、部屋の取り潰し、力士の他部屋への移転を主張した人がいたとか。小生も、そのくらいしてもおかしくないのかなと思っています。
上の写真は、神奈川県湯河原町のパワースポット五所神社前にあるクスノキ。毎年12月、勉強会仲間と一泊二日で湯河原温泉に浸かります。
