つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ベネズエラのマドゥロ体制崩壊は近い!?

 南米ベネズエラでは今、国内に2つの政権が共存するという不思議な現象が続いています。その一つは社会主義を志向したチャベス氏の後任のマドゥロ大統領、もう一つはフアン・グアイド国会議長による政権で、彼は反政府集会で暫定大統領就任を宣言しました。米、中国、ロシアの大国が2つの政権を別々に支持して国際紛争の種にもなっています。

 一応選挙によって合法的に選ばれているのはマドゥロ氏ですが、彼の独裁的な支配体制や何百万パーセントというハイパーインフレを招いたことが民衆を失望させました。失望程度ならまだいいのですが、実際に経済の悪化で生活できない状況で、すでに300万人以上が国外に難民となって脱出しています。

 そこで、国会では多数派を占める野党のグアイド国会議長が大統領を名乗ったのですが、これにはマドゥロ嫌いの米国や難民脱出で多大の被害を被っているブラジル、コロンビアなど南米周辺国がすぐにグアイド”大統領”を承認しました。でも、中国やロシアは相変わらず、マドゥロ体制支持を表明しています。

 その理由は、ロシア、中国とも南米諸国が永遠に米国の裏庭国家で有り続けることを嫌っており、キューバとともに、その米支配体制に風穴を開けるようなベネズエラ社会主義政権の維持を強く望んでいるからです。もっと中国に限れば、ベネズエラに多額の投資をしており、政変が起きてこの金が戻らないことを心配しているようです。

 マドゥロ氏は合法的に選ばれているといっても、その選挙自体に問題があったと指摘する声もあり、本当に多数の国民の支持を受けているのか不明。現に数百万人が国外脱出しているとしたら、国民多数の支持を喪失しているし、もう統治能力はないと見られても仕方がないでしょう。

  注目されるべき今後の展開ですが、発展途上国で政権維持のカギになりうるのが軍隊の動きです。国防相マドゥロ氏の一派ですから、当然マドゥロを守ると宣言しています。でも、勇気ある空軍の将軍がグアイド”大統領”支持を表明しました。彼によると、軍人の9割は反マドゥロであるとのこと。であるならば、早晩反体制派の軍が決起し、マドゥロ追放に動くはずです。2つの政権の不自然な状態は間もなく解消されることになるでしょう。日本にとっては親米政権ができる方がハッピーです。 f:id:higurashi-takanori:20190203125709j:plain

上の写真は、香港のチェプラクコク国際空港近くで見た香港・マカオ・珠海をつなぐ大橋の一端。