つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

大臣にならなければ良かったのに

 いやー、桜田義孝五輪相という御仁は実にユニークな人です。非常識、バカを通り越してむしろ”面白い”人材の部類に入るのではないか。およそ大臣など務まりそうにない議員なのに、国会で自らを「適材適所で選ばれた」とのたまわり、サイバー担当大臣なのにパソコンに触ったこともないと暴露、水泳の池江璃花子選手の白血病告知に「がっかりした」とのノー天気な感想をし、挙句に「復興以上に大事なのは高橋議員」と言っては、もう収まりはつかないでしょう。

 この人の経歴を見ると、千葉県立東葛飾高校から明治大学商学部の夜間を卒業、そして25歳の若さで建設会社を起こし、企業経営しながら、その後柏市の市会議員、千葉県議、そして衆院議員になっています。典型的な地域密着のたたき上げ政治家。政治活動の場を徐々にステップアップしているのは、それだけ地元で支持者を増やしていく魅力に富んだ人なんでしょう。確かに、見た目も人柄はそれほど悪くなさそうです。

 でも、人柄の良さは議員になる必要条件かも知れないけど、十分条件にはならない。やはり、人並み以上の理解力、記憶力、分析力、状況判断力、さらには一般常識も必要です。という観点に立つと、桜田議員はいずれも欠落している。大臣になる前、並みの議員であった時は、地元民に「人柄が良い」と思われるだけで当選できたのかも知れませんが、大臣ともなれば全国区ですから、やはり議員の基礎資質が問われます。

 議員を続けたいのなら、注目を集める大臣になることなど止めればいいものをなってしまう。それが桜田議員の世間や将来を読めないお粗末さ。大臣になって改めて基礎資質、能力のなさ、バカさ加減が露呈してしまったので、それは大臣を更迭されるだけにとどまらなくなりました。次の自らの選挙で、当落選に跳ね返る。柏市民も「こんなバカを選んでいたのか」と再認識し、入れたくないと思えども野党候補者に投票する人がかなり出てくるかも知れません。

 桜田議員は自民党では二階派に属します。二階派と言えば、「大臣になりたくない」と”豪語”しながら、親分の推挙でいやいや大臣になり、やはり自身が心配したように国会でまともな答弁もできず、早々に退陣した江崎鉄磨という議員がいました。「震災が起きたのはまだ東北で良かった…」と発言した九州出身の今村雅弘という衆院議員もいました。問題議員ぞろいです。まあ、親分自身も結構、問題発言をしていますが、、。

 今回の桜田問題で一番の被害者は、「復興より大事な」と言われた高橋比奈子議員です。彼女は比例東北ブロック選出、つまり岩手県小選挙区で当選できなかった議員。小沢一郎王国である岩手県で、彼女が次の選挙でも小選挙区を勝ち抜くのは容易ではありません。そんな時に贔屓の引き倒しのような桜田発言ではたまったものではない。今後彼女は国会でも地元でも「復興より大事な先生」と揶揄され、ますます小選挙区当選からは遠退いてしまうでしょう。

 高橋議員自身の汚点でも失敗でもなんでもないのに、谷底に道づれにされるのは業腹至極。今さらながら、失言の多いおバカ大臣に応援スピーチを頼んだことを後悔していることでしょう。ご同情申し上げます。御自身はアナウンサー出身だとのことですから、基本的に失言はないのでしょうが、これも神のいたずらな巡り合わせとするなら、他山の石とすべきところかも知れません。

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 上の写真は、満開になった横浜・大岡川沿いの桜。桜という字を持つ桜田大臣は桜の花びらと一緒に散って行きました。