つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

歳を取ると味覚が変わるって本当だ

 歳を取ると味覚が変わると言われていますが、小生も近年、それをしみじみ実感しています。端的に酒を例に挙げれば、若い時は、ウイスキーやブランデー、さらには焼酎、中国の白酒などスピリット(蒸留酒)系のお酒が好きでした。それがどうだろう、50歳を過ぎると、アルコール濃度の高い酒は避けるようになり、代わりに日本酒をよく飲むようになりました。

 昔よく飲んでいたウイスキーは、キリンシーグラムロバートブラウンモルトの香りがして好きでした。サントリーオールドやリザーブなどは値段が高く手が出せなかったこともありました。ウイスキー以外の洋酒では、たまに金があるときにサントリーのブランデーVSO(VSOPではなく)。優雅にブランデーグラスを片手に持ちながら読書がしたいと思ったのです。かっこつけの感もありました。

 焼酎は宝酒造の甲類酒「純」ばかり。テレビで宣伝していたし、ボトルも好きな感じでした。白酒に目覚めたのは、北京に行ってから。1980年代前半、マオタイ酒五糧液などの白酒の高級酒も安かったので、小生は四川省宜賓産の五糧液をよく飲んでいました。まったりとした深みのある口当たりで、匂いもマオタイほどきつくない。すぐにファンになりました。今では、中国で買うと10万円以上のものもあるという超高級酒になったとか。とても手が出せません。

 日本酒で小生が好きなブランドは新潟県村上市〆張鶴です。村上は今回の日本海地震震源地近くになりました。お見舞い申し上げます。30年くらい前に日本酒ブームが起き、新潟の越乃寒梅、上善如水とか、八海山、久保田というのがもてはやされていました。でも、これらはどちらかというと淡泊か辛口。それに対し、〆張鶴新潟県産にしてはちょっと甘口で、深みがある酒です。あくまで小生の基準ですが、今まで、この味わい以上の酒を経験したことがありません。

 食べ物では、歳取って酢の物が好きになりました。若い時、酢の物はむしろ苦手だったのに。酸っぱさと辛さをマッチングさせた中国料理のスワンラータンなどは今、大好物です。それから、野菜のごぼう、エノキタケが好みになりました。昔は何も感じなかったのですが、今はこの2つの食感、歯ごたえがたまらないのです。逆に、昔大好きだった納豆、カレーライスはあまり食べなくなりました。納豆などは食べる前にかき混ぜるのが面倒だし、糸引くのも嫌だなーという感じを持つようになりました。

 年齢に連れて味覚も変わるけど、ついでに言えば、読書傾向も変わりますね。若い時は推理小説、探偵小説が大好きだったのに、今では時代小説ばかり。ハラハラドキドキの小説より、今は、義理や人情を感じさせる藤沢周平の小説の方がはるかにいい。江戸時代が舞台というのはゆったり時が流れていく感じがして、高齢者のフィーリングに合っているのかも知れません。

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上の写真は、カンボジアのシェムリアプで見かけたヤシの実売り。