つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「お前」などにこだわるより、勝敗にこだわれ

 世の中には変わった人っているものですが、プロ野球中日ドラゴンズの監督をしている与田剛もその部類です。自分のチームの応援歌の歌詞の中に「お前が打たねば誰が打つ」というところがあり、その中の「お前」についてこの表現は子供の教育上良くないとクレームを付けたのです。恐らく、子供の教育上というのは表面的な理由に過ぎず、要は下々のファンごときが偉大なる選手に向かって「お前」呼ばわりするとは何事か、口を慎めということでしょう。

 では、彼がどういう呼称なら気に入るのかと言えば、せめて「あなた」にするか、選手名を呼んだらどうかと言うのです。まったく変人というほかない。お前と俺というのは対等の関係であり、しかも親密感を増す言葉です。親しい友人同士で日常的に使われる言葉で、少なくとも見下した呼びかけ言葉ではない。では、与田氏の言うように「あなたが打たねば誰が打つ」とか「平田さんが打たねば、…」と替えたら、端的におかしいと思いませんか。これでは選手との一体感は生まれません。

 この与田クレームに対し、応援団が素直に自粛したというから、これも驚きです。小生にはどう考えても無茶なクレームだと思うし、前回も書いたつまらない言葉狩りの一環だと思うので、ぜひ応援団も再考を願いたいと思います。中には、皮肉屋の地元ファンもいて「では、『お前』は止めて、地元らしく名古屋弁を使って『おみぁーが打たねば』にしたらどうか」と提案していました。

 中京地域の中日ファンなら「おみぁー」でいいのかも知れませんが、中日は古い球団なので全国にファンがいますから、名古屋弁固執するのもいかがかと思います。しかも、与田監督(房総半島南部・君津市育ちとか)は小生と同じ千葉県育ちですから、この名古屋弁には忌避感があり、冗談話としても通じないでしょう。ちなみに、千葉方言では「お前」は「おめー」と言います。丁寧語としては、「お主(おぬし)」からの派生と見られる「にし」という言い方もあります。

 半分遊びの余談はさておき、与田氏の「お前」批判がワイドショーで取り上げられ、そこで分かったことなのですが、他球団の応援歌の中にも数多く「お前」が使われていました。巨人の応援歌にもあり、坂本勇人選手は「問題ない。むしろ勇気が湧いてくる」などと言っていました。自然な感情でしょうね。「あなた」とか「君」とは言われるよりはずっと関係の濃密さを感じさせますから。

 与田監督は、応援歌の揚げ足取りのような”つまらない”ところに目を向けるよりも、自分のチームをもっと強くさせ、Aクラス入りを目指すことに専念したらどうですか。中日は今、バッティングも悪くないし、投手も大野雄大、柳裕也を中心にいい選手がそろっている。要は、投打がかみ合わないだけで、これはスタッフの責任が大なのです。勝敗の方に関心を持ち、精力を注いでください。

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 上の写真は、群馬県白根山万座温泉の露天風呂。白濁の湯は体に良い効き目がありそうな感じがします。