つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

横浜カジノ、反対じゃないけど、場所がねー

 横浜市がIRの施設誘致に手を挙げました。IRとはIntegrated Resortの略、すなわち統合型のレジャーリゾート施設を意味するらしいのですが、要はその中心アトラクションはカジノです。横浜のカジノについて周囲の人に聞いてみると、内人は反対、友人は「横浜はすでにブランド付きの観光地なんだから、今さらカジノなど要らない」と言う人もいれば、「税収を増やす手助けになるのなら、いいんじゃない」という人もいて、バラバラでした。でも、若干反対派が多かったかな。

 横浜IRは、山下公園の先にある新山下埠頭に造る計画とのこと。場所的にはどん詰まりのところにあり、ゲートをしっかり管理すれば、子供が近づけるわけはなく、影響はなさそう。これで税収が上がり、われわれ横浜市民の住民税が安くなるのなら、好都合ではないのか。ギャンブル依存症を増やすという意見もあるけど、それを言うならすでにパチンコ、競馬などで相当の依存症がいる。カジノが始まって、さらに依存症”患者”が激増するわけでもないでしょう。

 小生は、横浜にカジノがあってもいいとずっと思っていました。でも、林文子市長が最近の記者会見で、本格的に誘致を宣言し、動きが具体化すると、小生の考え方は若干変わってきました。カジノ自体は決して悪いアトラクションではないと思うけど、ただ、改めて気になるのは場所の問題。すでに相当な観光地である横浜、それも既存の名所観光地の一角に造る必要があるのかという点。横浜は明治維新以降の異文化、文明開化を真っ先に取り入れた地域として、日本の中でも特異な存在であり、いろいろな歴史的な施設や場所が残っている。観光地・横浜の魅力はそれで十分ではないのか。

 昔、香港で仕事をしていたとき、たまにテニスをやったり、ゆっくり浜辺でポルトガルワインを飲んだりするために泊りがけでマカオに行きました。マカオではどのホテルにもスロットマシンがあるので、そのスロットマシンをいじったことがあります。でも、それも少額のかけ金。ルーレット、バカラなどがあるホテル「リスボア」のような本格的なカジノ場は、見学したことがありましたが、腰を据えたことはありません。小生自身はばくちが好きではないのです。

 そのマカオには、ポルトガル植民地時代の遺跡、文化が残っていて、カジノを除いてもそれなりに魅力がありました。ポルトガル料理も然り。でも、結局は、香港、大陸からマカオに行く人のほとんどはカジノや競馬が目的のようで、歴史的施設に足を踏み入れません。カジノによって、マカオの異国文化は忘れ去られてしまった感がありました。夜になると、カジノ場のホテルだけがネオン煌々として、ひっそりした街中とは好対照を見せていました。

 横浜・新山下埠頭にカジノができたからといって、マカオみたいにカジノとその他街中とのアンバランスが際立つことはないと思います。横浜がこれまで持っていた魅力がすべて損なわれることもないでしょう。でも、一抹の不安はあります。もし横浜にカジノを造るのなら、歴史的遺産が多い山下公園近くでなく、夜ほんとんど人が来ない大黒ふ頭とか、シーサイドライン(JR新杉田駅京急金沢八景駅間)の沿線埋め立て地ではどうでしょうか。

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 上の写真は、久しぶりに行った原宿・表参道の風景。街路樹が道路に覆いかぶさっているのにびっくりしました。