つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ホームラン多発の試合は面白味に欠ける

 現在、進行中の世界野球大会のプレミア12、やはりラグビーWCのように国の威信がかかっているだけに、やっている選手は真剣ムードであり、見ていて面白い。今回はまず、台湾の大会で日本チームは3戦全勝。日本に帰ってきてからのオーストラリア戦でも勝って、負けなしのまま本日の米国戦を迎えます。それにしても、広島カープ鈴木誠也の3試合連続のホームランとソフトバンクの周東佑京の俊足は素晴らしい。日本の野球の多彩さと緻密さを感じさせます。

 鈴木誠也のホームランはジャストミートの見事なホームランで、文句のつけようがありません。でも今年、プロ野球を見て気になったのは、やたらホームランが出るなという点。クライマックスシリーズのあるゲームなどではすべての得点がホームランというのがありました。ホームランは一見華やかなんですが、スポーツの持つスピード感に欠けるところがあるので、ホームランが多発の試合は小生、あまり好きになれません。

 小生お気に入りの解説者、張本勲氏もかつて朝の番組で指摘していました。「最近のボールは飛びやすいんじゃないか。こすっただけで(外野席に)入ってしまう」と。ギラギラした若者の下半身でもあるまいに、こすっただけで出てしまう(!?)ホームランであっては困ります。一時、飛びやすいという批判があったことから、2011年、12年ごろに、ボールの質を替え、飛ばなくしたようですが、最近、再びホームランが出るようになりました。

 張本氏の言うように、昨年辺りから再びボールの芯を飛びやすい質に替えたのではないかと思うのです。ホームランは野球の”華”と思っている人が多いせいなのか。それとも別の理由があるのか。小生は、球場の外野を広くして、バッターは深々と外野を破って3塁まで全力疾走するという試合が見たい。守備側の連携プレーと走者の競争で3塁でセーフかアウトかという場面はハラハラさせ、興奮させます。だが、ボールが外野席を越えてしまうと、走者はぶらぶらと塁間を一周するだけで、スピード感を感じさせません。

 勘ぐるに、3塁まで全力疾走すると、バッターは疲れる。となると、バッターはできれば、ぶらぶらと塁間を回りたい。毎日のように試合があるのなら、できたら疲れが残る全力疾走よりぶらぶらがいい。観客も”華”を望む。選手も主催者側も、さらに観客もその方がハッピー。それで、球場も段々外野席を広くし、さらにボールの弾力を替えてホームランを出やすくしているのではないか。でも、子供のころ、外野席などない野っ原の草野球をしてきた小生らは、ホームランもランニング以外ありえなかった。ボールが外野に飛んだら全力疾走だったのです。その記憶からすると、ぶらぶらは感心しない。

 全力疾走と言えば、周東佑京の足は素晴らしい。以前巨人に鈴木尚広と言う選手もいましたが、こういうスペシャリストがいると、野球を打つ、守るという以外、本来スポーツの持つスピード感で大いに楽しませてくれます。オーストラリア戦では、源田選手のとっさのスクイズでも、3塁からピッチャーのタッチをよけて生還した快足プレーは絶品でした。稲葉監督はよくもこういうスペシャリストを日本チームに加えてくれました。慧眼です。

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 上の写真は、横須賀市沖にある旧軍要塞のあった猿島の風景。今月最初の連休中に、旅仲間の友人と覗いてきました。