つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「桜を見る会」追及の無意味さ、虚しさ

 今、国会は「桜を見る会」の問題でもめています。でも、やり取りをよくよく眺めていると、野党はこの問題で何を追及しようとしているのかがよく分かりません。最初の共産党議員の質問では、「近年、徐々に招待者を増やしており、5000万円以上の国費を使っている。目的がよく分からない。無駄ではないのか」という攻め方でした。つまり、最初は開催目的の不明確さによる無駄遣いの問題が焦点だったように思われます。

 ところが、そのあとは、「政府主催なのに、招待者は自民党寄りの人ばかり。特に安倍首相は選挙区の人たちを800人以上も呼んでいる、これって私物化ではないのか」。「安倍後援会は前日にホテルで前夜祭を開いている。この金も公金ではないのか?」とか。さらには、「ジャパンライフなどという反社会の人も呼ばれていた。これは問題ではないのか」「菅官房長官は反社の人と一緒に写真に写っていた」などと、前夜祭問題や招待者の選抜の問題までに話が及んでしまったのです。

 ここ10年以上、小生は自民党枠かジャーナリスト枠かは知らないが、招待を受けているので、海外旅行に出ていない限り、内人とともにこの会にずっと出席していました。確かに、最初のころに比べると、来場人数は毎年増えている感じがして、今年辺りはなんだか会場に行くと、人が多過ぎて、新宿御苑があたかも渋谷、新宿の雑踏のようでした。何も食べられず、飲めず、知人とも巡り合えず、政治家とも話ができないので、長居は無用とばかり、早々に退散しました。

 ところで、冒頭に掲げた野党の質問に小生なりに意見を言うとしたら、まず「見る会」開催の是非については、あってもいいんじゃないかと思います。場内には結構地方議員、警察、自衛隊員が正装して、夫人同伴で来ており、それなりに功績を上げた方々が顕彰の一環として、東京で華々しい席にお呼ばれされるのは良いことだと思います。また、多数の外国人が自国の衣装を着たりして参加しているのを目にしましたが、国際交流の一環としてもこの会は良い機会だと思います。

 招待者に政治家枠があるのはいかがかと野党は言いますが、それはそれでいいんじゃありませんか。民主党鳩山内閣の時も彼らが自在に招待者を決めていたんでしょう。首相に800人の招待枠があっても、最高権力者であるのだから許されることでは。このブログで小生は前に、四国に獣医学部を造ることに首相が主導的に力を発揮するのは許される、いや権力者であればそのくらいの権限があってもいいと主張しましたが、その考えは変わりません。

 首相のやることが本当にいかがわしいと思うのであれば、選挙で報復すればよいことです。悔しかったら、野党が政権を取ればいいのです。そんな政権獲得準備もないのに、重箱の隅を突っつくような荒探しして何の益があるのか。今、日本はさまざまな外交問題に直面しています。米中貿易戦争によるグローバルな経済劣化にどう生き延びるか、日韓、日露、日朝問題、さらには消費税増税後の景気対策、高齢者の福祉削減などの国内問題、議論すべきネタは尽きません。

 そんなことを国会でまったく取り上げず、「桜を見る会」追及などに執着する野党には本当にあきれてしまいます。多くの国民もそう感じているでしょう。最近では、内閣府に複数の野党議員が雁首をそろえて、資料を裁断したというシュレッダーを見に行き、「裁断に時間がかかるわけがない」などと得意気に話すのを見るにつけ、滑稽過ぎて食べたものを噴き出しそうになってしまいました。この馬鹿さ加減は、先日BSフジに出演した石井一元民主党議員や亀井静香武部勤両元自民党議員も指摘していましたが、同感です。

 政治家が反社会勢力と一緒に写真を撮ったことが問題視されています。小生は「見る会」の現場で菅官房長官が来客者と写真撮影する風景を見ていましたが、来る人来る人次から次と要望に任せて一緒に写真に収まっていました。いくらなんでも「写真を一緒に」と言って来た人に、「あんたは反社の人ではないでしょうね」などと念押しはできないでしょう。政治家も人気商売である以上、だれでも一緒に写真を撮ることは避けられません。

 「芸能人は反社と写真を撮ると文句を言われるのに、政治家は許されるのか」と、ワイドショーで立川志らくなどがえらく怒っていましたが、芸能人だってたまたまイベント先で依頼を受けて一緒に写真を収まったケースまでは問題にされません。あくまで、あの吉本芸人のように金銭目的で反社パーティーに行った時や、明らかに反社と分かった人と同席し、飯を食った時に問題にされるだけです。一緒に写真を撮ろうと次々に来る”ファン”をいちいち吟味することなど所詮できないことです。

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  上の写真は、京都・東山にある豊臣秀吉夫人ねねの菩提寺高台寺庭園の風景。