つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

小沢と組んで国民党は再生できるのか

 通常国会はまだ開かれていないのに、相変わらず滑稽な政治劇は尽きません。というのは、参院多数派を狙う野党同士のつばぜり合いです。国民民主党参院議員数はもともと立憲民主党の後塵を拝していました。そこで同党は、4議席持つ小沢一郎自由党とくっつき、野党第一党となりました。
 そうしたら今度は、「政党の数合わせはしない」と言っていた立民党の枝野幸男代表が、国民党より少数になるのはまずいとばかり、2議席持つ社民党と共同会派を組む挙に出たのです。これで、国民党も立民党も同じ27議席で並び、与党との交渉権を持つ第一野党の存在が分からなくなりました。所詮は権力に程遠い野党という存在でしかないのに、第一党にこだわる姿勢はご立派と言うか、滑稽と言うか。
 この会派再編劇を見て最初に面白いなと思ったのは、しばらく世間から無視されていた小沢一郎氏が再びメディアに登場したこと。記者に取り囲まれ、脚光を浴びて、本人はさぞや嬉しかったのではないでしょうか。彼はもともと立民との会派結成を狙っていたようですが、枝野代表はかつて民主党時代の小沢氏の姿勢を嫌って、丁重にお断りしたようです。そこで、策士の小沢氏は今度は落ち目の国民党に声をかけたのでした。
 早い話、小沢自由党野党第一党の座をめぐる国民、立民両党の争いでキャスティングボードを握っていたというわけです。野党第一党を”餌”にして両党に接近し会派を呼びかけた時、彼は久しぶりに表舞台に出た思いをし、興奮したことでしょう。現在、国民党への支持率は1%程度しかない。そこで、玉木代表は自由党との会派結成を選択し、「小沢氏の政治力に期待したい」と語っていました。彼に党勢回復の期待をかけたのです。
 でも、小沢氏に今、それほどの力があるのか。もう過去の政治家だし、かつて民主党を引っ掻き回して党を壊したというイメージは広く国民に行き渡っています。あの独特の毒気のあるしゃべり方を聞いただけでうんざりと生理的に嫌う人も多い。そんな人と組んだら、国民党にとって却って逆効果になるのではないかと小生などは心配してしまいます。
 立民党にしても社民党などと提携していいのか。この党は依然非武装中立を掲げ、税は上げるな、福祉を増やせなどというノー天気なユートピアイズムに凝り固まっている政党。こんな党と一緒になればそのカラーに染まって、立民議員もますます批判だけの野党意識から抜け出せなくなります。野党でいることは楽ですが、政策実現という政治家としての目的は達せられなくなります。これも悲しむべき提携です。

 上の写真は、三軒茶屋駅近くの広場で見掛けた仲の良い犬2匹。政党同士はこんなに仲良くなれない?