つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

さらに一律5万円の給付!?ばかげている

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 朝のワイドショーを見ていたら、5,6月に配布された10万円に加えて新たに5万円の定額給付金を求める声が出ているそうです。それも、元民主党所属で今は自民党に鞍替えした長島昭久とか、細野豪志とかの議員が音頭を取っているというのですから、あきれてものが言えません。責任ある与党に入ったのに、相変わらず選挙民へ、その場迎合的なポピュリズムに走っているのか、野党時代に培われたこの人たちの無責任さというのはずっと変わらないものなんだなとしみじみ思いました。

 一律10万円の定額給付金、小生宅の口座にも5月に振り込まれました。格別生活困窮はしていませんが、ありがたく頂戴しました。でもよくよく考えると、1億2000万人余の全国民に万遍なく配るというのは大変な出費ですし、作業量もばかになりません。まったく無内容なアベノマスクでも250-260億円の経費とか。まあ、このくらいなら良しとしますが、定額給付金となると、単純計算して13兆から14兆円くらいかかります。この高額を見ると、これで本当に良かったのか疑問を感じてしまいます。

 最初、自民党内では、新型コロナウイルスによる経済活動停止で大きく収入減を生じた生活困窮者に重点的に30万円ずつ配布するという案だったようです。が、公明党などが横やりを入れ、安倍前首相が急きょ方針を変え、一律10万円にしました。確かに、「生活困窮者に」というのは”総論的”には正しいのですが、では生活困窮をどう認定するのかという”各論”では人それぞれ意見があり、判定は難しいところがあります。

 個人でサービス業などをしている人にとって、1回10万円の配布くらいでは営業維持にはとても足りないでしょう。逆に、われわれのような年金生活者は、10万円の”臨時収入”にちょっとはニコってするけれども、感動してしまうような額ではない。ということを考えると、一律、しかも10万円というのはどうだったのか。特に一律というのはばかげています。一億も2億も収入がある人にまで配る必要があったのか。少なくとも高額納税者は排除すべきだったと思います。

 今、日本国の一般会計予算は約103兆円。これと比較すれば、13兆円強という定額給付金の出費がばかでかい額だと分かります。長島議員らは「さらに5万円配っても6・5兆円くらいの出費に過ぎない」などと簡単に言うけど、無責任の極みです。財源にはまったく触れないところがいかにも「言うだけ大将」の元野党議員らしい。この人、国家の安全保障は分かっていても、財政は無知のようです。結局、財源は赤字国債の発行でしかないのですが、これは将来国民にどう付け回しされるかまで責任ある政党の議員なら考えるべきです。

 こんな大盤振る舞いをすれば、インフレ化は避けられない。牛乳1本を買うために札束をリヤカーで運ばなければならない今のベネズエラや、かつてのジンバブエのような超インフレにはならないでしょうが、赤字国債の発行による通貨量の膨張でじわじわと円の価値は下がっていきます。実は、インフレ化は将来、相対的に借金返済を圧縮し、公債費という財政負担を減らすので、政府、財務省は望むところなのでしょうが、、。

 でも、困るのは、定額の給付しか受けられない年金生活者です。インフレ化が進めば、実質的な収入は低下していきます。今10万円をもらって喜んでも、のちに物価高を感じて苦しむことになりかねません。ですから、さらに「一律5万円給付を」などという安易なポピュリズム発言、キャンペーンは止めてもらいたい思います。

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 上の写真は、横浜・山下公園前に係留されている氷川丸。ディープな横浜に住む人間も、たまには観光地のシャロ―な横浜を歩きたくなります。