つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

内紛好きの韓国、触らぬ神にたたりなし

 テリー伊藤という高齢コメンテーターがその昔、「お笑い北朝鮮」という本を書いてベストセラーになったけど、今の韓国を見ていると、まさに「お笑い韓国」の様相です。北を笑えないどころか、同じように他国には理解不能な噴飯ものの国内政局になっているのですから。噴飯ものとは、最終権力をどこに置くかで大統領府と検察庁が対立し、双方一歩も譲らない構えであり、それも収拾不能な状態に陥っていること。ムンジェイン(文在寅)にしてみれば、来年の離職後、歴代大統領経験者と同様獄につながれてはたまらないとばかりに必死なんでしょう。

 韓国の悪弊なんでしょうか、これまで大統領が職を離れると、なぜか検察庁がすぐにその周辺を嗅ぎまわり、逮捕し、牢獄に運びます。光州事件を起こした全斗煥盧泰愚の軍人上がり、朴槿恵李明博の保守派は本人が訴追されたが、金泳三、金大中ノムヒョン(本人は自殺)の民主派も確か肉親が獄につながれています。この悪弊の原因は何か。青瓦台内にある前権力者の影響を排除したいのか、自分を際立たせたいためか、それとも政治機構的に問題があるためか。

 文在寅は政治機構的に問題ありとして検察改革を目指しました。最初に玉ねぎ何とかと言われたチョグク、次に女性のチュミエを法相に任命し、検察庁が大統領を超える権限を持つことを制限しようとしました。ところが検察もさるもの、この2人の法相の周辺を探って”荒ら”を見つけ出し、訴追にかかるのです。チョグクの妻は、娘の大学入試関係での私文書偽造罪でこのほど懲役4年を言い渡されました。検察の指揮を執ったのは ユンソクヨル(尹錫悦)検事総長で、もともと文が任命した人。ユンは大統領府より検察の”力”に魅力を感じ、そちらへのロイヤリティーを優先させたんですね。

 文とチュミエは自らが作った超法規的な組織でユン検事総長を罷免したのですが、ユンが反発。罷免の有効性判断を裁判所に委ね、最終的に職場復帰を勝ち取ります。ということで、ムン(文)とユンの争いは今も続いています。ユンが恩義ある文に逆らうのは、自らが来年の大統領選に出る意欲があるからだとのこと。韓国の大統領は1期5年だけで次に文が出ることはないのですが、彼の息のかかった与党「共に民主党」の有力候補者が出てくる公算が大。ですから、その候補者を蹴落とすためにも、今、文をたたいておけば、自分に有利になると思っているようです。

 韓国の歴史を見ると、19世紀後半に李氏朝鮮宮廷内の政争があったように、この国は内紛好きなのです。しかも当時、それぞれの政治勢力がロシア、清朝、日本の外国の力を借りようとして、国内問題を国際問題にまで発展させてしまったのです。この結果、李氏朝鮮の国内政争が日清、日露戦争の火種となったし、日韓併合につながりました。かの国はそういう歴史を学ばず、いまだに政争を繰り広げているのがすさまじい。

 ただ、韓国が国内の激しい対立、政争を続けていれば、対外的な”攻撃力”は弱まります。ということは、彼らの民族的統一のシンボルである反日思想も影が薄くなってくるのでしょう。最近、韓国のマスメディアから反日という声が聞かれなくなりました。この背景には、徴用工裁判問題で日本政府が何の反応を示さないので、向こうも出方に困っていることもあります。ですが、やはり実態は、国内政争に忙しくて反日まで手が回らないということではないでしょうか。

 むしろ今、かの国の保守派の一部には日本待望論があるとか。雇用状況が悪く、不況であるため、日本にすり寄り、経済的な支援を得たい、それを糧に来年の大統領選で優位に立ちたいとの思いも持つ保守派勢力もいるようです。でも、歴史を見れば、この動きはくわばら、くわばら。前述のように、この国は困るとすぐに外国の力を借りようとする性向を持つ。その挙句、事が済んだ後にお礼など少しも言わず、後々には怨念(韓国語では恨)だけをぶつけてくるのです。ですから、触らぬ神にたたりなしで、日本はひたすら韓国情勢を俯瞰する、そして無視するのが良策ではありませんか。

 上の写真は、神田神保町の「源来酒家」の金目鯛。蒸し魚は中国レストランの定番ですが、中国では淡水魚を蒸したものが多い。