つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

野毛飲み屋街の議員がなぜ銀座で陳情受ける?

 小生が住むマンションは横浜市の西区内ですが、道を一本挟んで向かい側のビル群はもう中区で、その坂を下りると、野毛の飲み屋街に至ります。ですから、飲み屋街は指呼の間にあります。それはどうでもいいことで、その野毛の飲み屋街の真っただ中に、今回夜遅くまで銀座のクラブをはしごしていて問題となった松本純衆院議員の事務所があり、よくその前を通ります。この人はもともと薬剤師で、この事務所は以前は薬局であったとか。松本議員は結構人柄がいいと地元では言われている。それだけに、市街地で住民移動が多く、選挙民が安定しない神奈川一区でも、当選確率の高い自民党の議員さんでした。

 菅総理と同様、横浜市議から衆院議員になった人で、すでに7回当選しています。麻生派の幹部であり、麻生内閣の時に官房副長官に大抜擢され、その後安倍内閣で一回、国家公安委員長などの大臣に就いています。すでに中堅から古手の代議士なのでしょうが、目立ちたがり屋の多い神奈川の選挙区出身の国会議員の中では比較的地味な印象を与えます。ですから、「週刊誌が俺みたいに目立たぬ男を狙うわけがなかろう」と高を括っていたに相違ありません。そうは問屋が卸しませんでした。

 非常事態宣言が出ているのに、銀座のクラブを自民党の同僚議員2人と2軒はしごし、最後に一人で店を閉めた後の別のクラブに立ち寄ったらしいです。本人は、クラブの経営者かママかは知りませんが、「陳情を聞くために立ち寄った」としており、「酒は飲んでいない」とか言い訳をしています。まあ、語るに落ちる話ですね。陳情に1時間も2時間も必要なのか、しかも深夜に2人だけで。そんな説明で世間を納得させることができると思っているところにこの人の甘さがありますね。

 今、非常事態宣言発令で、松本議員の地元、野毛の飲み屋街も閑散としています。松本氏が地元の野毛や関内などの飲み屋、バーのオーナー、ママたちから陳情を受けるのであったら、非常事態の中でも夜遅く立ち寄るのはまだ納得できる。陳情でなくただ酒を飲むだけにしても、地元愛があるなら、むしろこの時期、自分の事務所の近くで飲んでほしかった。恐らく有権者である地元の飲み屋経営者は「松本先生、なんでも選挙区でもない銀座で飲むのか、しかも陳情まで受け付けるのか」と怒っていることでしょう。

 週刊誌記者が600人以上いる国会議員の行動すべてに注目しているわけではありません。恐らく何か特別の情報を得て重点的に特定の人に目星をつけ、付け狙っていたに違いありません。となると、松本議員は常習的に銀座の特定のクラブに通っていて、それを知った誰かが何かの意図で週刊誌にタレ込んだ可能性があります。衆院選挙、総選挙が今年秋までに実施されるので、本人にとっては今時のスキャンダルはまずい。逆に、松本氏の評判が下がれば、我が方に利になると考える勢力もいます。蛇の道は蛇です。多くの議員さんは今回の松本純”事件”を他山の石にしなければならないでしょう。

 上の写真は、小生の自宅があるマンションの玄関付近の風景。撮影は昨年12月。