つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

内閣広報官の弁解には恐れ入りました

 前首相の安倍晋三氏は、常識外の行動に打って出る”飛んでる妻”に足を引っ張られていたが、その後を引き継いだ菅義偉氏は、ロン毛にサングラスの恰好で会社に通うという“破天荒”な息子に悩まされているようです。民主党政権以前の総理であった麻生太郎氏は、本人は一見渡世人、やくざ風でありながら、鈴木善幸元首相の娘である奥方は控えめな感じだし、子供も秀才で申し分なしと伝えられています。その前の福田康夫氏の子息も、今は政治家2世として頑張っておられます。安倍、菅両氏とも、自身のことでなく、妻や子供の問題でとやかく言われるのは口惜しいことだとお察しします。

 菅首相は「子供は別人格なので」などと長男の行動と自分は関係ないといった感じで逃げていましたが、小生を含めて多くの人は噴飯(憤慨ではなく)したことだと思います。バンド活動をしていた長男が父親の総務大臣就任とともに唐突に大臣秘書官に就いたこと、そしてその後に総務省が管理する電波事業関連会社である東北新社に就職し、かつ管理職にまでなっていること。これらが「別人格、父親の存在と関係ない」と言われて「はいそうですか」と信じるほど大衆は愚かではありません。「親の七光り」以外考えられないでしょう。

 総務省の役人も、同省に影響力を持つ菅義偉官房長官(当時)の子息から宴席の招待がかかれば、断りづらい。まあ、大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶ接待事件以来、大分時間が経っており、業者との関係に対し役人の倫理観が希薄になってきていた面はありますが、それでも忙しい役人のこと、何だか得体の知れない業者からの接待などは断っていたと思います。やはり、官房長官の子息、しかも元総務省大臣秘書官の接待であったからこそ、”行かざる”を得なかったと思います。その点では、今回処分を受けたお役人さま方々に同情して余りあります。

 やはり、一番の問題は、菅氏が自分の影響下にある官庁が管理する分野の企業に息子を就職させたことです。バンド狂いでロン毛であれば、なかなか正規の企業で中途入社させることは難しい。であれば、親の力でなんとかきちんとした会社に就職させてあげたいという親心は分からないものでもないです。中国のような独裁国家ではネポティズムが横行し、子供に金儲けの座を与えることなど日常茶飯事ですから。だからと言って、民主主義制度下にある日本では真似してほしくないです。

 李下に冠を正さず、瓜田に履(くつ)を納れずのことわざがある通り、政治家は厳しく自己を律する必要がありましょう。とりわけ、権力のトップにいる人は、一定の義務が生じます。ノブレス・オブリージュという言葉があるように、高貴な人、権力、財力を持つ人は、下々の者が幸せになるまで、自分の利益を真っ先に考えてはならないということです。

 今回のケースで面白かったのは、内閣広報官である女性官僚が東北新社が開いた宴会に招待され、一人7万円余の食事接待を受けながら、同席した菅首相の子息のことなど明確に覚えていないと国会で証言したことです。「宴会で菅首相の御曹司は自分と横並びに座っていたからだれであるか分からなかった」「御曹司とは総務省の在籍で重なる時間が短かったのであまり承知していない」などという弁解はこれまた噴飯、滑稽の極致です。自らの人事で生殺与奪の権を握る菅首相の子息を知らないとしたら、総務省の役人としては失格。ありえない話です。

 それにしても、菅首相が贔屓にする女性官僚は”意外性”のある人が多いようです。安倍首相時代に官邸に来ていた厚生労働省出身の女性医務官僚。菅氏との関係が良かった国土交通省出身の官邸補佐官と「出張を装った不倫旅行」をしていたと週刊誌に暴露され、一躍時の人になりました。その上今度は、出身官庁にかかわる業者から高額メシをおごられ、しらっとしている内閣広報官。7万円のメシが当然のようになっているところを見ると、あるいは裏ではもっと多額の賄賂性招待があるのかも知れません。地検が贈収賄事件として捜査してくれるのではないかと期待しています。

 上の写真は、松本純衆院議員の選挙区である横浜市中区内で見かけたポスター。野毛飲み屋街の中にある松本純事務所にはポスターは張られていません。松本先生のポスターの標語は「景気の回復は(野毛でなく)力強い銀座から!」が本音ではないのか。野毛の飲み屋おやじは心底怒っていますぞ。