つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

政府が「変異種が出た、出た」と脅すナンセンス

 世の中、本当におかしな輩がいるものです。白血病にかかりながら、奇跡的に復活し、今夏の東京オリンピックで水泳の代表となった池江璃花子選手に対し、「代表を放棄しろ」と言ったとか。どういう趣旨でそんなことを言ったのかは分かりせんが、本当に無茶で残酷な発言です。彼女は、一時東京五輪の代表をあきらめていたのですが、五輪が一年先延ばしにされたことで死に物狂いで再度チャレンジ、そして代表の座をつかんだのです。その努力を称賛すべきであって、間違ってもその栄光に泥を塗るような物言いがあってはなりません。

 その東京五輪ですが、「コロナ禍が続いており、開催はないだろう。止めるべきだ」「IOCの金儲けに協力する必要はない」といまだに言う人がいます。ワシントン・ポスト紙も最近、そんな主張をしたとか。非常に無責任な発言だと思います。オリンピックを目指してきた選手がどれだけ他のことを犠牲にして、人生をかけて努力してきたことか。少しでもアスリートの気持ちを考えるのなら、簡単に止めろなどととても言えないはずです。人間、自分に関係ないことには意外に冷淡になれるものですね。でも、どうか自分がアスリートになったと仮定し、出場できないことのくやしさを想像してみてください。

 五輪がIOCの金儲けになっているとの主張は否定しません。ですが、そればかりではないでしょう。日本人選手が活躍すれば、われわれは等しく喜べますし、盛り上がります。このコロナ禍であるからこそ、日本人が心から一体感を味わい、快哉を叫べるようなイベントがぜひ必要だと思います。コロナ禍で感染が心配なら、無観客という選択もがあってもいいと思います。が、開催しないという選択だけはぜひ取らないでいただきたい。経済活動ばかりか、人間社会のすべての動きを止めてしまうのは愚の骨頂です。政府、自治体は「動くな」などと言うより、一日でも早く、多くワクチンを普及させることに努力して欲しいと心から思います。

 コロナ禍について言えば、最近の報道ではやたら「英国株、ブラジル株、インド株の変異種が出た」と脅しのニュースが多いです。小池都知事らも変異種出現を強調して「家にいろ、外に出るな」と脅しています。でも、これもよくよく考えれば、変な話ですね。目に見えないものが変異したからといって、われわれに何の関係があるんですか。インド株が出てきたからといって、われわれは特別に注意する方法でもあるのですか。ワクチンが打てない段階では所詮、われわれはマスクをするだけの防御手段しかない。それとも、変異種用のマスクってあるんですか。

 本来、5月11日までの期限だった非常事態宣言期間がまたまた延長されました。外で酒が飲めません。当ブログでも再三言っていますが、一律に経済活動を止める愚策は取るべきではない。明らかに感染の気配がない人たちが密を避けて集まる場合とか、あるいはPCR検査で陰性が確認できた人だけが集まるのなら、問題ないのではありませんか。抑制措置にもメリハリをつけるべきです。何でもかんでも「集まるな」というのでは、われわれは納得できません。

 今、非常事態宣言が出されても、世間は激しく反応しませんね。自粛疲れがあるし、コロナ死者もそれほど多くないとの認識が一般的になったせいかも知れない。昨年は志村けん岡江久美子の有名人が死亡したので、恐怖感が充満したけど、今はそれがない。だから、今、政府が「怖いよ、怖いよ」と言ってみたところで、ほとんど狼少年の「狼が来たぞ」の類いの呼びかけにしか聞こえない。それならば、いっそのこと宣言など出さなくてもいい。あくまで、怖いと思う人は外に出ず、「別に」と思う人は自己責任で判断したらいいのではないでしょうか。

 必要以上に世の中の動きを止めて、経済活動を縮小させ、多くの労働者の職を奪い、人生の前途を悲観した自殺者を増やすより、コロナで死ぬ方がよほど普通の社会であるように思えてなりません。毎年、通常型インフルエンザでも日本で3000人程度が死亡しています。新型コロナも大騒ぎせず、普通のインフルエンザ扱いにしたらどうでしょうか。

 上の写真は、我が住んでいる横浜市西区に貼ってあるポスター。ここは菅義偉首相の選挙区です。ワクチンを一日も早く自分の選挙区に(!?)。…これは冗談です。