つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「世界を2分割しよう」と言った習提案をご存知か

 今日朝のTBSサンデーモーニングを見ると、スポーツコーナーにもう張本勲さんはおらず、代わりに元巨人の上原浩治が出ていました。正直な感想を言わせていただければ、発言に味もなく、面白くもない。やはり、一緒に出ていた落合博満の方がはるかに深みのある発言をしていました。かつて愚かな視聴者が張本発言に苦言を呈したりしたための後遺症です。後任者の上原はもともと面白い男で、小生もファンだったのですが、初回から揚げ足を取られまいと必死の様子で、可哀そうでした。

 それはともかく、スポーツコーナーのあと、中国のアジア進出、台湾攻撃の可能性について特集を組んでおり、この中で、台湾有事に対して石垣島自衛隊基地を造っていることが報じられました。台湾有事が即日本有事であることは、先島諸島と台湾の距離からすれば当然の認識で、日本全体の安全保障を考える場合、先島諸島に防御用のミサイル基地を持つことは至極当たり前の対応です。

 番組は基地建設自体を批判していないのですが、コメンテーターに出てきた安田なるフォトジャーナリストの女性は「かつて沖縄は戦場になり、島民が悲惨な目に遭った。石垣島に基地ができれば、(中国側の)攻撃対象になる。石垣島民にもっと配慮してほしい」という趣旨の発言をしていました。よくよく聞くと、これって意味不明。配慮するとは具体的にどうしろということか、基地は要らないということですかね。こういう情緒論しか言わず、世界情勢、安全保障が分からない人が情報番組でコメントしてほしくないなとしみじみ思いました。

 習近平国家主席は昨年末にバイデン大統領とオンライン会談した際、「地球を米国と中国で2分割支配しよう」というプランを持ちかけたようです。かつて「太平洋を中国、米国で2分割しよう。西太平洋は中国で持つ」という発言をしたことは事実ですから、中国は今、覇権主義で世界支配に乗り出す野望に満ち満ちています。台湾攻撃とその占領は「中国の一部分だから祖国を統一する」というような民族主義的な感覚でなく、太平洋支配、世界支配戦略の一環なのです。安田なるコメンテーターはそこまでご存知なのだろうか。

 西太平洋の域内には日本も入っています。台湾が中国に占領されたら、中国の太平洋進出が容易になり、西太平洋は中国の支配下に置かれます。海洋も航空路も中国の意思のままに動かされます。そうなれば、日本は自由も民主主義もない中国の影響をますます大きく受けることになるのですが、安田なるジャーナリストはそれでもいいと思っているのか、それでも台湾と日本とは関係ないと言うのでしょうか。台湾有事になれば、それは単に石垣島だけに限らず、日本全体の自由と民主主義に関わる事態なのですが、、。

 ちなみに、基地のことを言えば、自衛隊の基地は石垣島で建設中のものだけに限らず、日本の至るところにあります。小生が住む神奈川県だって自衛隊基地ばかりでなく、台湾有事の際には必ず支援出動するであろう米第7艦隊横須賀基地厚木基地もあります。今は射程1000キロ以上の中距離ミサイルがあれば、中国からは日本列島全体が攻撃範囲に入りますから、危険性を言えば、石垣だけの問題ではないのです。それを太平洋戦争中の米軍の沖縄上陸攻撃と比べるというのは無知すぎます。

 先のブログで、瀬戸内寂聴さんの発言に対して情緒論だと批判しました。情緒論はちょっと聞くと、気持ちよく、分かりやすいから、訴えやすいのでしょうが、実は非常に危険な要素を持っていることを知るべきです。「武装はやめろ」「基地をなくせ」と叫んでいても、安全保障はかないません、平和も確保されません。覇権主義者を利するだけです。

 上の写真は、浅草駒形のフランスレストラン「ナベノイズム」のベランダから見たスカイツリーと、多摩市永山団地の紅葉風景。