つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

訳分からず侵攻参加したロシア兵も可哀想

 「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」という言葉があります。今、花の咲く春が訪れているのに、ウクライナ人民は本当に苦しんでいます。が、今回はその話は置いといて、少しだけ「桜の花の命」の話。3月27日の日曜日のころ、横浜では大岡川の桜が満開、真っ盛りだったのに、今週末すでに花弁が風に舞っています。本当に桜の開花時期は短い。それでも、マンションの住人仲間ら4人と週末2日、花見の宴を催しました。場所は、大岡川と同様、横浜の桜の名所である掃部山公園。横浜の開港に貢献した井伊直弼銅像があるところですが、まだ咲き誇っていた桜もありました。

 戦火にさらされているウクライナ人民には誠に申し訳ないと思いつつ、掃部山公園にビニールシートを敷いて車座になり、乾きもののつまみで酒を少々飲みました。この公園は桜の時期になると、企業が大きなシートを朝から敷き詰めて、人も置かずに場所取りすることで有名でした。ですから、近所の人からクレームが出て、最近は自粛しているようです。2日午後は陽光が降り注ぐ絶好の好天。大シートの場所取りはなく、花見客はすべて家族連れや友人同士の少人数でした。こういう外での花見宴会は久しぶりだったので、楽しかったです。

 それはともかく、ウクライナ情勢に戻ります。北部のキーウ(キエフ)周辺はウクライナ軍が奪回したようですが、東南部ではロシア軍が攻勢を強め、マリウポリは残念ながらロシア軍に制圧されそうです。北部に攻め入ったロシア軍はシベリア、極東から連れてこられた軍隊であり、しかも徴用兵であるので、士気が低いし、周辺の事情も分からない。チョルノービリ(チェルノブイリ原発事故も知らない世代ですから、あの近くで塹壕を掘り、被曝した兵士も出たとか。

 ロシア軍は北部で戦域を延ばしてきたため、兵站線が十分確保されず、食糧や保温機器などを運ぶ補給部隊が来ない。このため、いまだ夜間に零度以下になる現地では、戦車や装甲車の中で過ごす兵士が凍傷になったり、ひどい場合は凍死するケースもあるとか。寒さとひもじさを感じた人は、戦争がばかばかしくなり、投降者が相次いでいる。すでに3,4万人がウクライナ側の捕虜になっているという情報もあります。

 そのほか、悲惨なのは死亡したロシア兵。遺体収容部隊が来ないので、そのまましばらく野外に放置されたままで、狼や野犬に食われているとのこと。周辺は戦闘状態が続いているのですから、野良にいる動物も食い物がなく、腹を空かせている。こうして損傷した遺体はそのままロシア国内に持っていき、遺族に見せられないため、ベラルーシで荼毘に伏されるとのことです。侵略されたウクライナ側の住民も十分可哀想ですが、訳も分からず、プーチンの戦争に付き合わされ、戦死するロシア兵も可哀想でなりません。

 2月24日に始まった戦争もすでに1カ月半近くになりました。東南部はロシアが攻勢に出ているとはいえ、全般的には膠着状態です。祖国愛に満ちたウクライナ軍が頑強に抵抗しているためです。マリウポリウクライナ軍が住民を疎開させたあと、決死隊が最後まで踏みとどまり、ロシア軍による全市の支配を許さないかも知れません。こうしたウクライナ軍の姿を見ると、感動すると同時に、やはり日本も侵略された時に同じことができるのかといつも考えてしまいます。

 外電によると、ロシア軍に占領された地域では、いなくなったウクライナ住民の家に兵士が入り込み、泥棒を働いたり、女性をレイプしているケースもあるとか。侵略戦争の本質は「すべてを奪い尽くす行動」であることを再認識させられます。ですから、他国の者に自国を侵されてはならないのです。祖国はたれのものぞ。われわれも領土を守り抜く覚悟を再度しっかり胸に刻み込まなければなりません。

 上の写真は、小生の自宅近くの大岡川の桜。長谷川伸生誕地碑の上にも大きな桜の木。