つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

トランプが再出馬?!何勘違いしてるのか

 小生は、どちらかというと、個人の権利を最大限尊重してほしい、過度な公的機関の介入は嫌だという立場ですから、自分では新自由主義者だと思っています。で、米国の政党の好みで言えば、どちらかというと共和党支持です。米国は世界各国から自由を求めて集まった人々なので(耳にドボルザークの「新世界」のメロディが流れているよう)、余計なお世話ですが、米国では政府の過度の介入、福祉などは止めるべきだと思っています。ですから、毎回大統領選に出てくる民主党社会主義者サンダース候補などを見るとうんざりします。

 でも、共和党好きだと言っても、ドナルド・トランプだけは好きになれません。2年前の大統領選挙では、泡まつ候補だからそのうち消えるだろうと思っていたら、あれよあれよと共和党の候補になり、本選挙でも勝ってしまいました。ヒラリーという民主党候補も裏表があり、金持ちにすり寄る姿勢が露骨で好きになれないのですが、あの時トランプが大統領になるくらいなら民主党が勝って欲しいと思いました。でも、願いに相違して悪夢が現実になりました。

 トランプがなぜ嫌か。品格欠如で、傲岸不遜であるからです。民主主義国家の政治家は本来、広範な民意を聞くのが筋ですから謙虚であるべきだと思いますが、彼の態度からはおよそそれを感じません。自分を批判する人や声に対しては、ツイッターなどを使って口汚くののしっています。批判的なメディアに対しては「フェイクニュース」だと切り捨て、これまで自分を支持してきてくれたFOXニュースにも、自らの意に沿わないニュースを流すと、「あの記者を首にしろ」などと怒鳴っていました。

 かつて共同歩調を取ってきたフロリダ州のディサンティス知事が次の大統領選で自分の競争相手になり、世論調査でもディサンティス氏の人気が高まっているのを知ると、一転、「臆病で無力な知事だ」と悪口の限りを尽くします。金持ち喧嘩せずと言いますが、金持ちのトランプがよくわれわれ貧乏人顔負けのあんな負け惜しみが言えるものか。自分への批判を許さない人、鷹揚になれない人は、要は気が小さいんですね。残念ながら、本質的に彼には政治家としての資質、能力がないのだと思います。

 トランプの嫌いな2点目は自己顕示欲が強く、いつでも世間の目が自分に向くよう仕向けること。自己顕示欲は政治家の必要な資質であり悪いことではありませんが、MAGA(小生、この標語も嫌いではない。アメリカ・ファーストよりいい)と書かれた赤い帽子をかぶり、舞台の上でダンスを踊るような軽薄な素振りを見ると、あきれてしまいます。分別ある年功者がやる格好か、いい加減にしろと怒鳴りたくなります。一度は最高指導者を経験した身であるなら、もっと品性あるパフォーマンスはできないものか。

 それから、彼の一番けしからんところは、民主主義の基本中の基本である選挙の結果を認めないことです。選挙結果を認めない事態は発展途上国でよく見られますが、米国で起きたとは驚きでした。そんなことしても、多くは失敗しています。結果は覆りません。それで、思い通りにならないから国会議事堂占拠を画策するなどというのは言語道断。この行動で彼の品位が落ちたのは結構なことですが、米国が長く培ってきた選挙で決着をつけるという政治的価値観、民主主義の品性まで疑われてしまったのは実に残念でなりません。

 その下品な彼が何、2年後の大統領選に再び立候補するとか。昨日、フロリダの自宅で、早くも出馬宣言をしていました。お笑い北朝鮮ではないが、お笑いトランプ殿です。どう見ても彼は勘違いしている。2年前の再選で民主党の老人相手に負けているのに、今度は勝てると思っているのか。6年前の選挙では、米国人が奇妙な人物に過剰な期待を持ったことによるフロック勝利だったことがまだ分かっていない。どう逆立ちしても、共和党の代表選びでも勝てないでしょう。あの得意満面なしたり顔をもう見たくない。

 上の写真は、下田の寺で見た虚空蔵菩薩像。下の方は、小生が関係している社団法人の事務所内に飾られた仏像。トランプにはこうした像の前で自らを見詰め直して欲しいと思います。