つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

維新の会は自民との違いを明確にすべきだ

 5月初めに投開票が行われた衆参補選の結果を見ると、5つの選挙区で自民党が4勝1敗で、1敗は和歌山1区で維新の会に譲っただけでした。今回はロシアのウクライナ侵攻があってから初めての国政選挙であり、国民がどういう国家の安全保障を望んでいるかを見る上でも重要な指標になるところです。結果は保守系の圧勝。つまり、ここで分かったのは、憲法改正否定、「軍備などより別の政策を」と唱える勢力に国民がノーを突き付けたことだと思います。

 先日、家の近くの共産党の地区事務所前を歩いていたら、入り口にポスターが張ってありました。そこには「ロシアはウクライナから手を引け」みたいなスローガンが書かれていました。誠に結構な言葉なのですが、ではこの党はロシアの軍事侵略を止めさせるにはどうすべきかなどという具体的な方法論には触れません。「あくまで外交で」などと言っているだけ。本当に外交でやれると思うなら、ソ連と昔の馴染みがあるのですから日本共産党の代表団がロシアを訪問し、プーチンを説得したらいかがかと思います。

 今、国の安全保障をどうするかが喫緊の課題として問われているのですが、立民、共産党はまったく無関心のようで、国防費をGNP比2%にすると言うとすぐに反対するのです。お題目の唱和だけで平和は実現できないことは、ウクライナの現実を見れば簡単に分かることです。残念ながら、このお題目主義は与党公明党にも見られます。この政党の国会議員は安全保障を理解できていると思いますが、支持団体が「軍備に金をかけるな」という思考を持っているようです。強調しておきますが、お題目だけでは平和は来ません。それなりの軍備で抑止力を強化することが肝心なのです。

 ということで、選挙を見ると、これまで公明党の牙城であった大阪でも維新の勢力に圧倒されています。立憲、共産ともどもこの党のユートピア的、他力本願的平和主義に選挙民はうんざりしているからでしょうか。維新は次の衆院選で、少なくとも大阪では全区に候補者を立てるそうです。従来、一部の小選挙区公明党に配慮して立候補を見送っていましたが、今後はもうそういう協力関係は取らないと馬場伸幸代表が言っています。政党間の争いは本来そうあるべきです。

 維新が将来、自民党をも圧倒して政権獲りにいくのであれば、選挙区での他党配慮などすべきではありません。立憲と共産との選挙協力を見ても、立憲は共産の一定の票を獲得できても、その分、左傾化を嫌い逃げる有権者がいるのです。自民党もそうです。小生の住む神奈川県では一部の選挙区で自民党が候補者を立てず、公明党候補者を推しているところがありますが、感心しません。政党間の選挙区配慮は止めるべきです。各党はどの選挙区にも粛々と公認候補者を立てて争うべきです。少数意見をくみ上げるのは比例代表区だけで十分でしょう。

 今、世論調査を見ると、野党への支持第一党は立憲でなく、維新になりつつあるようです。維新が今後政権政党を目指すのなら、同じ保守系でも自民党との違いを明確にすべきです。選挙民は何が違うのか知りたい。小生は、維新がスモールガバメントを標榜する新自由主義の政党だと思っていますが、その点を隠さず明らかにして欲しい。衆院選挙は少なくとも政権選択の選挙なのですから。永遠に野党でいいと思っている立民、共産みたいにならないで欲しい。

 上の写真は、自宅マンション前の野毛山公園に咲く雑草の花。石垣から咲き出た黄色の花がいじらしい。雑草だって美しい花を咲かせられるのです。