つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

大谷は結婚でハングリー精神失わないで欲しい

 大谷翔平が先月末に結婚を発表したのですが、もったいぶったのか新妻の名前を言わなかったので、メディアは取材に走り回った様子。それで、ユーチューブなどでは早い段階で元全日本級のバスケット選手である「田中真美子さん」という名前が出ていました。そしてこのほど、ドジャーズが韓国でパドレスとのメジャー公式戦をするためにソウルに向かうチャーター機前で大谷と女性の2人が写った写真が球団サイトで公開され、「ootani and his wife」というキャプションが付いたことで正式に相手が特定されました。メディアの取材通りの人でした。

 米国、いやドジャーズのスタイルなんでしょうか、太平洋を越えた先の公式戦会場に家族同伴で行くというのは実に驚きです。日本ではキャンプ地や地方遠征の時などにひそかに妻や恋人を呼び寄せるケースはあるみたいですが、球団丸ごとで面倒を見るというケースはないでしょう。粋な計らいというべきか、昔のシーズン後の親善試合のために行くのならともかく、シーズン初めの真剣勝負に向かうのになんと優雅なことか。これでは選手は旅行気分になってしまうのではないかと心配してしまいます。

 で、20日パドレスとの公式戦を前に、ドジャーズ韓国プロ野球チームのキウム・ヒーローズとオープン試合をしました。レベルの差があるので、結果はもちろんドジャーズの勝利でしたが、われわれが期待した大谷は1回と3回の2打席に登場して2三振。精彩を欠くことこの上なく、3打席目にはピンチヒッターが出されてしまいました。日曜日の昼の放送なので、多くの日本人が茶の間で見ていたと思います。であるなら、ヒット、ホームランは要らないまでも、せめてフェアゾーンにボールを転がせよと言いたくなりました。

 生真面目は大谷には申し訳ない発言ですが、妻同伴なのでちょっと新婚旅行気分になっていないか。君は公式戦のために韓国に来ているんだぞ、それを忘れたのかと言いたくなりました。こう言っては下世話になりますが、新妻と同部屋なら当然することはするでしょうから、体力に影響を与えたのではないか。彼は昨年、カージナルスと対戦するため、セントルイスに宿泊した際、WBCでのチームメイト、ラーズ・ヌートバーから食事の誘いがあったのに翌日の試合に備えて断ったほど。それだけ彼はもともと禁欲主義者、石部金吉的人物なのです。再度言いたいが、公式戦を控えて妻同伴はいかがなものか。

 でも、新妻の田中真美子さんは映像で見る限り、とてもしとやかな色白美人であり、一見筋骨隆々のスポーツウーマンには見えない。ただ、背が高いのでそうも感じられないこともないですが…。うつむき加減に夫の後ろを歩いている姿は、遠慮深い印象を与えます。こう言ってはまた差し障りがあるかも知れませんが、古き良き日本人女性の在り様を思わせ、好感が持てます。なるほどこれが人格者の大谷が選んだ女性なのか、さもありなんと日本人のだれもが思ったことでしょう。

 残念ながら、大谷は今日の試合でいきなり2三振してしまったので、口さがない連中からは悪口も出てきそうです。「大谷は結婚によって野球への探求心、ハングリー精神を失ったのではないか」あるいは極端に「妻は意外にも下げマンじゃないのか」などなど。一試合だけでそう見るのは僭越の極みなのですが、期待感が高いだけに、そう見られても仕方がない。日本人のほとんどが大谷の活躍を祈っているのですから、オープン戦2試合目、さらにはパドレスとの公式戦では必ず良い結果を残して欲しい。

 上の写真は、横浜の野毛山公園で咲いている早咲きの桜。

女性が家庭で子育てするのも立派な社会貢献だ

 日経新聞の国際面を見ていたら、面白いベタ記事が載っていました。アイルランド政府は、「女性は家庭を優先すべきだ」という憲法上の条文を削除するため、国民に憲法改正案を提示、国民投票に付したのです。それで結果は、反対多数で同条文の維持が決まったというのです。昨今は、世界的に女性の社会進出が言われているため、政府はこのトレンドを後押しするため、この条文はまずいとしての”修正動議”だったようですが、国民は冷静に「女性は家庭優先」という文章に固執したもようです。

 バラッカー首相は「多くの人に賛成してもらうよう説得するのがわれわれ(内閣)の責任だった。明らかに失敗した」と語ったという。この記事を読む限り、首相は条文の削除は当然多くの国民が支持してくれるものと考えていたフシが感じられます。でも、アイルランド国民は冷静にこの文章に向き合ったのであって、小生は、首相が言うように説得不足の結果ではないような気がします。

 この記事で思い出すのは、20年くらい前、小生が母校の東京外国語大学で「現代中国論」の講義を受け持っていた時のこと。脱線して女性の社会進出の話をしたのですが、そこで「女性は子供を産む性で、男性は代替できない。子供は生後しばらくの間、母性の温かさを必要とするのだから、女性の社会進出は否定しないが、その他の選択肢として子供を産んで、その子をそのまま立派に育てるというのも立派な社会貢献ではないか」と話しました。当時、小生は、女性の社会進出が進むと、少子化に拍車がかかるという”危機意識”を持っていたこともありました。

 すると、授業が終わった後、一人の女子学生が小生のところに来て、「先生の考え方は女性差別ではないか」と言うのです。彼女はすでに大企業に就職が決まり、卒業後の社会進出を楽しみにしていたようで、へんな教師につまらないいちゃもんを付けられたと思ったのかも知れません。そこで食堂に誘い、メシを食べながら、るる小生の考え方を説明しました。女性の社会進出は当然であり、また必然な流れでもあります。大いに賛成です。でも、子育てのために家庭に入る選択をした人がいてもいい、劣っているとか、落伍者などと見る必要はない。それはそれで立派な生き方ではないかと彼女に説明しました。

 大谷翔平の母親は体育会系で、バドミントンの国体選手になるほどのスポーツウーマンだったらしいのですが、自らの選手生活をあきらめて子供の養育に集中したもよう。それで息子はあれだけ立派な人間となりました。小生はかつての記者活動の中で、子育てを優先するために官庁を辞めた女性も承知しています。ものすごい能力があるのにもったいない、能力を無駄にするなと非難する人もいるでしょうが、小生はそうは思わない。

 自身は子供がいないので良く分かりませんが、周囲を見渡し、さまざまな事情を見聞きする限り、やはり子育ては大変な”事業”であり、生半可ではできないものだと感じています。優秀な女性が集中的に子育てに専念し、そしてまた次世代の優秀な人間を作るということもあり得る生き方ではないのか。親との触れ合いが深く、良く育ってほしいという思いが伝われば、その分子供は立派になると思う。小生は件(くだん)の女子学生にそういう趣旨を強調したかったのです。

 「女性は家庭優先」に固執したアイルランド国民の思いはどうだったのか。彼らだって女性の社会進出を否定するわけじゃないでしょう。要は、小生の考えに近く、一義的には子育てを考えるべきではないのか、子育てでは母親しかできないことがあるのだから、という思いを強調したくて憲法条文に入れたのだと思います。それにしても、すごい条文です。日本国でこんな条文を憲法に入れるとなったら、どのくらいの反発があるか分からないでしょうね。

 上の写真は、みなとみらい地区の赤レンガ倉庫ビル。下の方は、赤レンガ前から出航する湾内クルーズ船。

メッシの不出場に対する香港、中国の怒りは異常

 世の中、せこいというかあきれるというか、そんな話が数多くありますが、今回取り上げる話もそのような部類です。ちょっと旧聞に属しますが、あの有名なアルゼンチン出身のサッカー選手、リオネル・メッシの話。米サッカーチーム「インテル・マイアミ」の一員として香港に来て親善試合を行うというので、大陸からのファンも含めて大勢がスタジアムに押し掛けました。大陸でもメッシファンは多い。ところが、メッシは体調不良を理由に一回もピッチに立たなかったのです。で、観客は「メッシを見に来たのに、試合に出ないとは何事か」とばかりに入場料金の返還を求めたのです。

 メッシ一行は香港のあと日本に来ました。ヴィッセル神戸と試合をしたのですが、この時は試合後半の15分程度というわずかな時間に途中出場し、華麗なドリブルの足さばきを見せてくれました。メッシは実際に香港では足を痛めていて試合に出られる状態ではなかったようですが、日本に来た時には幾分回復したのかも。だが、香港、中国のサッカーサッカーファン、いやすべての国民が日本でのゲーム出場を見て、「香港では出ないのに、なぜ日本で出るのか。香港、中国をばかにしている」とさらに怒りを募らせたのです。

 まあ、メッシにしたら、体調の問題で、別段香港、中国と日本を差別するつもりなどなかったのでしょうが、彼らは許してくれませんでした。大国の中国をソデにして「小国の日本」に迎合するとは何事かという思いだったのでしょう。怒りはメッシ個人に対してだけでなく、アルゼンチン全体に向けられ、中国サッカー協会は、中国国内で3月に行われるべきアルゼンチンとの国際親善試合をキャンセルしてしまったのです。

 これはサッカー協会だけの判断でなく、中国指導部全体の意向のようです。なんと度量の狭いことか。中国の怒りにおののいたのか、インテル・マイアミは香港の試合の入場料金払い戻しに応じたとか。出場が期待されている人気選手が体調や何か一身上の都合で出られなくなることは良くある話です。そんな時にいちいち文句をつけて「入場料返せ」と言うのは度を越した要求だと思います。米メジャーでドジャーズ戦を見に行ってたまたま大谷が体調不良で出られなくなったら、同じような要求があるのでしょうか。まずありえないでしょう。

 ついでに、せこい話と言えば、ちょっと下世話になりますが、社会の裏事情に詳しい人からこのほど、こんな話を聞きました。最近、いわゆる風俗の店では酔っぱらった客をお断りしているとのこと。なぜかと言えば、酔っ払い客で理不尽な要求をする人がいるからだそうです。酔っぱらうと、男は概して”現場”において肝心の物が機能しないケースが多い。それでも女性と談笑して帰ればいいものを、逆切れする奴もいる。女性の”サービス不足”だとして、サービス料金の返還を求めるというのです。

 これを聞いて小生はあきれました。自らの”能力不足”を他人のせいにするのは世間ではよくあることですが、そんな場所でもそんな主張、要求があるのかい。理不尽極まりないし、随分せこい性分だなと思いました。メッシの出ないサッカー試合に怒るというのとちょっと違う感じもありますが、状況に応じてその現実を受け入れられないという点では似たところがあります。いずれにしても、小国のアルゼンチン、その国の選手にコケにされたということで、大国中国、国民のメッシとアルゼンチンへの怒りは収まりそうにありません。狭量の国や人につける薬はないのかな。

 上の写真は、薄暮のみなとみらい地区。大岡川沿いの散歩は楽しい。 

日本の株式市場好況なのは中国のお陰?!

 イヤー、驚きました。昨日、東京証券所での日経平均終値が4万円台となりました。1989年末のバブル期の年末大納会の時には3万9800円くらいになり、「来年は4万円台になる」と世の中が浮かれ模様でした。結局、その時はバブルが弾けてしまい、4万円などは遠い夢の話になったのですが、あれから35年たった今年3月のこの時期、とうとうバブル期の期待額を超えたのです。驚きました。これまでバブル消滅のあと、失われた10年とか、20年とか言われていたけど、ポストバブルの時期は完全に去って新たな日本再興の時代に入ったのかも知れません。

 世の中、それほど景気が良いとは年金生活者には実感できません。でも、日経平均が上がるというのは全体的に期待感があり、実際好景気なのでしょう。製造業は輸出産業を中心に今、じゃぶじゃぶに儲けていると思います。その理由は、円安です。大谷翔平の契約金の例でも書きましたが、一円円が安くなっただけで儲けは数十、数百億円のプラスになるのです。企業側はウハウハでしょう。ただし、その分、輸入品は高くなっているので、輸入品を商う企業、店舗は大変でしょうが…。

 期待感の話をしていくと、”産業のコメ”半導体の存在が大きい。1980年代、半導体製造は日本が世界のトップクラスだったのですが、米側の圧力でその製造工場は台湾、韓国、さらには中国にとって代わられました。しかし、今、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)の工場を熊本県に誘致し、そこには日本の大企業が共同出資したJASMも関与します。さらに、日本独自で先端半導体企業のラピダスができ、その工場が来年、再来年にも北海道で稼働するということで、日本の地方に活気をもたらしています。

 小生は東京中心主義の発想、何でも東京に施設と人を集めたがる傾向に反発を覚えていましたから、コロナ禍のオンラインでのホームワーク、業務展開は大賛成。コロナが終わってもホームワークは続き、地方定住化も進んでいます。その上、東京から遠く離れた地で先端産業の工場ができれば、工場、人の分散化が進み、大いに喜ぶべきことかと思います。人口減少状態にある北海道は、寒さを逆手に取ってもっと先端産業を発展させてもいい。テクノロジーイノベーションのハブ化を図ったスウェーデンや、通信大企業ノキアを生み出したフィンランドなど北欧の先進産業国を見習うべきです。

 株価日経平均上昇の原因はほかにもあります。経済先読みの天才と言われる米国のウォーレン・バフェットが盛んに日本株の購入を進めているのです。特に商社株がいいとか言っています。半面、「中国株はもう終わった。将来性はない」との見方もしています。バフェットやジョージ・ソロスらの名だたる投資家がそういう見方をするのであれば、当面中国に大量の資金投入はない、むしろ日本株へということなのでしょう。ですから、世界各国の投資家、特に余剰資金を多く持つ中東の投資家もこれに倣って日本株買いに走っていると思われます。

 バフェットが言うように、中国、香港の株式市場はもはや見込みがなくなりました。指導者が恣意的、強圧的な発言を繰り返し、株式市場にも意図的な介入を行っています。中国企業の経営内容そのものが良好でないのに、いたずらに「中国経済は良い状態」などという意味ない”光明論”を展開。「中国隊」と言われる政府資金、政府系企業資金を投入して株価のPKOを図る。その一方、「中国経済は悪い」と言う人を取り締まり、反スパイ法で企業の監視を強化しています。PKOは一時的には奏功するかも知れないが、中長期的には株価の維持はできないでしょう。

 中国は「先進国は14億という巨大市場を無視できないだろう、だからどんな圧力をかけてもいずれ我が方にひれ伏してくる」との認識を持っているのかと思います。確かに、第一次産品の輸出先に困っていたオーストラリアなどにはその傾向が見られました。ですが、第二次産業サプライチェーンは必ずしもそうならない。代替の発展途上国はいくらでもある。むしろ労賃の高くなった中国を嫌う企業も多くなっています。という意味で、バフェットの言うように、今の中共指導体制が続く限り将来性はないのかも知れません。

 今、中国、香港株式市場が低迷状態にあるのは、先行きに不安を感じた外国企業、外資が逃げ出し、それにつられて中国国内の投資家も資金を引き揚げているからです。それで、引き揚げられたその金が日本市場に回っており、株価上昇をもたらしています。つまり、中国、香港市場と日本の株式市場はゼロサムの関係で、今、日本側が勝ち組に回っており、誠に好ましい状況になっています。

 という視点で見ると、非能率な公営経済を重視し、対外的に強圧的である習近平指導部が続く限り、中国は諸外国、とりわけ西側先進国から好感されず、国際流動資金はそこには流れない。その分日本はこれから勝ち続けます。皮肉な言い方をすれば、経済のイロハ、仕組みが分からない中国の習近平体制が末永く続き、世界の資金が日本に流れるままであってほしい、そして日本の繁栄を支えて欲しいと願うばかりです。

 上の写真は、野毛、伊勢佐木町界隈の散歩コースで見られる風景。上の方はタイ式マッサージパーラーの店頭。下の方はギリシャ風レストランのシャッター上に描かれた絵。猫が可愛い。

大谷の故郷奥州市は「蘇民祭」をなぜ止める?

 昨日、メジャーリーグのスーパースター大谷翔平が結婚したというビッグニュースが飛び込んできました。日本に限らず、世界中のスポーツファンが関心を持っていたことなので、喜ばしい限り。ドジャーズの一員として新たな球春を迎えるに当たり、幸先のいいおめでたい話となりました。昨日、小生は所用あって外出、飲み会にも出ていたのですが、至るところでこの話で持ち切り。世間はいかに大谷への関心を示しているかが実感できました。

 ただ、ちょっと残念だったのは、彼がメディアとのインタビューで、結婚相手の名前やどういう素性の人かを明かさず、謎のままにしていること。戦略的な秘匿なのか。それともプライベートは煩わされたくないという彼一流の配慮、懸念なのか。彼の会見は、ぬる湯の湯舟から出るに出られないような、ラーメンの汁を最後まで飲もうとして店員に器を下げられてしまうような、女性に迫まりながら最後にソデにされてしまうような何か中途半端な感じがしてなりませんでした。でも、これによって却ってメディア各社の取材合戦に”火”が着いたことでしょう。

 結婚相手の名前、その氏素性はもちろんのこと、2人がどこで、どうして知り合ったのか、大谷がゴマンといる女性の中から何故その人を選んだか、2人はすでに同居し、ひょっとしたら相手はすでに妊娠しているのではないかなどなど、われわれが知りたいことは山ほどありますから、取材テーマは限りない。大谷は、相手と3,4年前日本で知り合ったと言っていますから、在米の大谷張り付き記者ばかりでなく、今度は日本にいる記者たちが、大谷の出身地や花巻東高校時代の友人、さらには日本ハム球団の関係者らを訪ね、探ることになるんでしょう。

 ところで、大谷翔平の出身地と言えば、岩手県奥州市。その地は大谷以外でも最近、話題になりました。黒石寺という古寺があり、そこで100年以上も続いている奇祭「蘇民祭」が今年を最後に終わってしまうとのこと。下帯(ふんどし)一丁の裸姿の男どもが密集して麻の袋を奪い合うという祭りですが、厳冬の旧暦1月15日の小正月に行われるので、男どもの体からは湯気が立ち、勇壮で見ごたえがあります。廃止の理由は高齢化でイベント参加者がいないということですが、本当なのでしょうか。

 全国に呼び掛ければ、参加希望者は大勢いると思います。小生ももっと若ければ、出張って参加してもいいかなと思うくらい。でも、寒さが苦手な者からすれば、厳冬の夜での裸はツライ。下帯の中身も寒さで縮み上がってしまうでしょうから、迫力不足は否めません。「ソミン祭」でなく「ソチン祭」になりかねません。それはともかく、高齢化で参加者がいないというのは言い訳に過ぎないように感じます。本当は経費高騰の問題か、安全性の問題か。それとも開催が面倒になったということか。

 諏訪の御柱祭、岸和田のだんじり祭りなど危険を伴う祭りは日本中にあり、毎回死者や負傷者を出しているけど、止めるという話にはなりませんね。やはり、伝統に裏打ちされた祭り、イベントは止めるべきではないと小生は思います。ブラジルのリオのカーニバルだって毎年必ず複数の死者が出るほど危険極まりないですが、止めることはない。「止めるべきだ」などと言ったら逆にその人は殺されてしまうでしょう。

 祭りは情念発散の場であり、地域の盛り上がりを作る貴重な機会でもあるので、継続されるべきです。伝統文化、イベントは残るだけの意味があるから存在するのです。危険だと感じる人は祭りに参加せず、家に閉じこもっていればいいだけの話。廃止は残念でなりません。再考していただきたい。

 上の写真は、2008年、JR東日本が作った”いわくつき”のポスター。卑猥な感じがするというクレームが来たので、途中で掲示を止めたとか。クレーマーはいったいどこを卑猥に感じたのか、教えて欲しい。ひげ面か、胸毛か、それとも天を仰いで大口開けた口元か。祭りに熱狂した普通の男性の姿ではないのか。

大相撲が日本の伝統背負うと理解されていない

 小生は人種差別主義者ではありませんが、もともと外国人を大相撲の世界に入れるのは反対でした。それは、大相撲は単純にスポーツだけでなく、日本の伝統、もっと言えば神事にも関わるイベントであると考えるからです。という意味で、日本の伝統も神事も分かっていない力士が大相撲で幅を利かせると、大相撲の伝統がかなり歪曲されてしまうだろうなとずっと思ってきました。それはハワイ出身の両横綱の時にはさほど感じなかったのですが、朝青龍白鵬のモンゴル人が横綱になってから強く感じるようになりました。

 今回問題を起こしたのは、やはり白鵬が親方を務める宮城野部屋の北青鵬でした。これで、モンゴル人の親方では日本の伝統文化、伝統競技は守られないだろう、教えられないだろうと強く感じます。北青鵬は弟弟子に対し、睾丸を殴る、バーナーで火あぶりにするなどの暴虐の限りを尽くしたそうです。白鵬はそれを知りながら無視していたとのこと。同じ国の出身者であれば、あり得る庇い立てでしょう。あるいは、現役時代、サポーターをした肘を相手の顔面にぶつけるなど横綱らしからぬ荒技を出しながらも、許されてきた自分の経験からすれば、まあ、睾丸殴りなど大したことはないと判断したのかも知れません。

 力士は入門してから間もなく相撲教習所で大相撲とは何かについて講義を受けます。外国人力士はまだ言葉ができないので、ほとんどは寝ていたと思いますが、北青鵬は5歳から母親とともに札幌に来ているので日本語に不自由さはなかったはずです。ただ、家庭内の生活はモンゴル様式であり、その精神もジンギスハン、フビライハンを思わせるような荒々しいモンゴル人気風のままだったのでしょう。恐らく日本人的な細やかさは身に着かず、日本の伝統文化も受け入れなかった。

 朝青龍もかつて土俵上でナーダム(モンゴルの祭り)の鳳凰の舞のような恰好を見せました。場所を休場して母国に戻り、サッカーに興じるなど勝手な振る舞いも。白鵬も優勝する度に土俵下のインタビューで勝手な要求、行動に出て相撲協会を怒らせました。彼らは、大相撲を単なる格闘技スポーツとだけとらえ、伝統文化の何たるかを理解していないのです。という観点から言えば、白鵬が大相撲の親方になるのは無理。大勢の弟子に伝統文化を伝えるどころか、日本的な生活の美風を教えることも難しいでしょう。

 ただ一つ白鵬を擁護するとすれば、彼の相撲解説はうまい。実に技術論としては理にかなっているし、素晴らしい。いかにエルボーパンチ、猫だましの奇策を使ったとはいえ、彼があの身体で45回も優勝したことが良く分かります。でも、もういい、モンゴル人力士の優勝は。再三ここで書いていますが、やはり大相撲は郷里との一体化があって隆盛するもの。力士と郷土とのつながりがあって、地方巡業という商業イベントが成り立つのです。モンゴル人が勝っても残念ながら、日本の地方で盛り上がりるところはないのです。

 すなわち、商業的な視点から見ても、モンゴル人力士の隆盛がいかに大相撲をアンダーマインしているか、もっと相撲協会は考えるべきです。いや、モンゴル人だけでなく、他の外国人も。今後は外国人のスカウトは止めるべきです。いや、白鵬が今仕組んでいるような、幼児の時から体力的に伸びそうな子供を日本に連れてきてエセ日本人力士にするようなことも止めて欲しい。北青鵬もそうでしたが、今回のケースを見れば分かるように、結局、日本人の精神まで受け入れないのですから。

 霧馬山(霧島)、豊昇龍の大関昇進時と今回の琴の若のそれと世間、メディアの盛り上がりの違いを相撲協会はもっと冷静に見極めて欲しい。国民は日本人力士の活躍を望んでいます。繰り返しますが、個々の相撲部屋は強いモンゴル人力士を抱えれば「米ビツ」となり、潤うかも知れませんが、長い目で見れば、大相撲全体が駄目になってしまうことをもっと肝に銘じるべきです。

 上の写真は香港にある日本レストラン。金鐘回廊にあった一風堂は昼時に長い列がありました。上の方の焼肉レストランは恐らくまがい物の「日式」。日本語が出鱈目ですから。

ロシアでは間もなく女性大統領が誕生する!?

 ロシアのプーチンって、なんて残酷でひどい男なんだ、という思いをさらに深めました。普通、大統領選挙を1カ月後に控えているのなら、候補者は選挙民に自身の好印象を与えることに努めるものですが、プーチンはお構いなし。自分にとって都合の悪い人間をだれでも消してしまうようです。それは、反抗を試みたプライベート軍団「ワグネル」の指導者プレゴジンに対しても、昨年爆殺の挙に出たことでも分かっていましたが、獄中の反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏まで亡き者にしてしまうとは、今度ばかりは驚きを通り越して心底から怒りしか涌いてきません。

 どう考えても、獄中にいるナワリヌイ氏が大統領選挙に与える影響力なんてそれほどないでしょう。しかもプーチン自身は大統領選で8割の”支持”が得られ、当選確実だと言われている中で、なぜそこまでするのか。これまでも反プーチンの態度を取った人はことごとく抹殺されていますから、彼と仲間の報道官がどう繕うと「彼の犯罪」と言って間違いないでしょう。まあ、彼は旧ソ連KGBの出身ですから、謀殺、暗殺はお手の物ですが、それにしても対象者、やり方、時期があまりにも露骨過ぎます。

 かつて側近の親衛隊のトップ、ベリヤに裏切られ、毒を盛られたスターリンのように、プーチンも”近いうちに”側近に裏切られて、自身が殺した”友人たち”が待っている彼岸の方に行くのでしょう。そうであっても彼のこれまでの”犯罪歴”からすれば、自業自得ということになりましょう。ところで、なぜ「近いうち」と書くのか疑問を持たれる方が多いと思いますが、小生が心腹する英国の著名な預言者クレイグ・ハミルトン・パーカーがそう予言しているからです。

 パーカーは2016年秋の米大統領選挙でのトランプの当選、英国のブレグジットEU離脱エリザベス女王の死期などを的中させた預言者で、世界各国の指導者、経済人が彼の言にかなり注目しています。で、2023年早々の彼の予言はどうだったか。中国に関しては、「2022年末に反体制の動きが見えたので、23年中に政変が起きる」と断言しました。

 確かに、22年末はゼロコロナ政策に怒った人民が各所で「白紙を掲げる運動」を展開しました。さらに昨年を顧みれば、表面的には習近平が失脚したなどはありませんでしたが、よくよく見れば、3月全人代で信任されたばかりの外相や国防相が半年も立たずに更迭され、さらにはロケット部隊の司令官、政治委員らの首が飛ぶという激変が起きています。党内部で何らかの反習近平の動きがあったことは間違いありません。

 それで、パーカーは今年の初めに、どう予言したのか。ロシアに関しては、「プーチン大統領が死に、それによって女性の大統領が誕生する可能性がある。そのことは世界に希望をもたらす」と語っています。ロシアでは、ナワリヌイ氏が死亡し、海外にいる奥方のユリヤさんが「夫の事業を引き継ぐ」と宣言しました。パーカーの予言通りならば、これらの動きから、ナワリヌイ夫人が近い将来大統領になるのではないかと愚推できます。プーチンが3月大統領選に勝っても長くは持たないということでしょうか。

 歴史を遡れば、同じケースがありました。フィリピンの独裁者マルコス(今の大統領の父親)に反対していたベニグノ・アキノという国会議員は米国に亡命していたのですが、1980年代中ごろ、彼は祖国の中で大統領と戦うため、戻ることを決意。マニラの空港に降り立ったところで射殺されたのです。どう見ても、大統領派の仕業であり、この一件で怒った軍の一部や民衆が立ち上がり、反政府運動が起きました。マルコス一家は米国に逃亡。その結果、新たな大統領選が行われ、夫ベニグノ・アキノの運動を継承していた夫人のコラソン女史が当選したのです。

 といった古事に倣えば、ユリヤ・ナワリヌイ女史がプーチンの次の大統領になるということでしょうか。パーカーが言うように、ユリヤ夫人がロシアを支配したら、ウクライナ戦争は終わるであろうし、もうばかな戦争で若者が死ぬことはない。世界に希望をもたらすでしょう。小生は、早くそうなって欲しいと心から願っています。………それで、パーカーは今年の中国についてはどう予言しているのか。その話は後日にしましょう。

 上の写真は、昨年12月に訪問した香港で展開されていた区議選の候補者横断幕。”官制選挙”なので親中国の人ばかり。盛り上がりはありませんでした。