つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「小渕」利権構造を解明してほしい

 昨年の内閣改造後に問題となった小渕優子衆院議員の選挙民過剰接待問題で、第三者委員会がこのほど報告書を出し、本人は事件そのものには関与していないけど、監督責任はあったはずだと結論付けました。まさしくその通りで、本人は父親時代から続いていた旧態依然の選挙民接待のシステムなどほとんと知らなかったと思います。が、単純な疑問としてその選挙民優遇の差額分はいったいどこから出たのか、知りたいところです。
 首相までやった父親、小渕恵三さんの時代の選挙は、選挙民へのサービス合戦が大事でした。というのは当時は中選挙区制度で、彼の選挙区群馬三区の競争相手は同じ自民党中曽根康弘福田赳夫両巨頭ですから、当然彼らに伍して恒常的に当選票数を得るためには、選挙民を囲い込む過剰なサービスが必要だったのです。
 たとえば、選挙民を東京にバスで連れだして食事つきの観劇会に招待し、会費として1万円未満を徴収したとします。でも、実際の経費は一人当たり2万円程度かかかるとなれば、本来は許されないことですが、”持ち出し分”は議員側で負担しなければなりません。選挙民もそれを承知で半ばたかっていた部分もあったかに思います。選挙の大きな構造で見れば、過剰接待は議員が選挙民に媚を売り票を入れさせるためですから、これは立派な買収行為です。
 小渕優子議員は、突然死した父親の後継者として彼の選挙体制の上に乗って出てきた二世議員です。したがって、父親時代の選挙プロ、サポーターの言うなりに動いただけでしょう。いわば、振付師の指示に従う踊り子です。彼女が父親時代と同じ構図、つまり選挙民への持ち出しサービスが続いていたとはほとんど知る由もなかったと思います。他人任せの楽な選挙であった分、大きな落とし穴もあったということでしょう。
 でも、小生の素朴な疑問ですが、この選挙民サービス持ち出し分の金(報道によれば、1億円とか)はいったいどこから出てきたのでしょうか。議員報酬を投入するのは無理です。議員利権によって金が生み出されない限り、金は出てきません。でも、東京でのお嬢様育ちで、テレビ局社員上がりの小渕優子議員が選挙区群馬のそんな利権構造に絡んでいるとはとても思えないのです。
 となると、彼女を取り巻く地元の選挙プロ、サポーターである県会議員であったり、地方自治体首長であったりの人が「小渕」の名をバックに集金マシーンとなっていたとしか考えられません。彼女自身は知らなくても、父親時代からの「小渕」を取り巻く大きな利権構造が続いているのかも知れません。捜査当局はその解明を続けてほしいと思います。

 上の写真は、縁結びの神様、出雲大社の門前付近。先週末、旅行で島根県出雲市松江市を訪れました。