つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

後妻業の女と頂き女子りりちゃんの共通性

 最近の国内ニュースで面白なと思ったのは、「頂き女子りりちゃん」というのがいて、ネットで知り合った男性から合計1億5000万円をだまし取ったという話。正直、この一報を聞いたとき、「本当かよ」と思いました。ネットで流れた動画を見ると、りりちゃんは言ったら悪いが、見た目は顔も並み、いやそれ以下かも知れない。そしてしゃべり方がガキっぽくてとても成人男子の話し相手、男女関係の相手になりそうにない感じ。そんな女に対し男どもがよくもそんな大金をつぎ込んだなーと思います。

 りりちゃんはいわゆる「頂き女子の手引書」みたいなものを作っていたもよう。ネットで連絡してきた男性からいかに金を搾り取るかの方法を順序だって事細かに書いた騙しの手引書をネット上で販売していたというのです。それによれば、彼女の手口は、自分がひどい親の下に育ち、いかに虐待されていたかなどをるる説明、お涙を誘うところから始まるらしいのです。男性はその言葉に騙されて最初は数万円、そして数十万円、そして数百万円と貢いでいったという。それも一人でなく、同時並行的に複数の男性が彼女の”金主”になっていたというから、なおさら驚きです。

 記者であった小生の立場から言えば、その金主たちは何を目的に数百万円、数千万円を払ったのか。彼女が可哀そうだと感じての同情心か、辛い境遇から早く立ち直って欲しいという親心か、それとも単に将来なんとかなるのではないかというスケベ心か。その目的が知りたい。それにしても、女性と付き合いたい、金もそれなりに用意できるという男性なら、正直、りりちゃんよりはもっとましな美人の女性に接近できたはずだと思います。

 その辺が”事件”の謎なのですが、以前、一人暮らしの老人に近づき、その後妻に入り、毒薬やトリカブトで殺してしまい、財産を分捕るといういわゆる「後妻業」の女たちがいました。こうした犯罪はこれまで何度もありましたが、こう言っては失礼ながら、容疑者は小太り小柄で顔も並み(それ以下の場合も)の女性が多かったのです。普通、街で逢ってもだれも振り向かないごく普通のおばさんです。ですから、どうして世間の独居老人はこんな普通のおばさんにほだされて後妻に迎え、財産を託してしまうのか、実に不思議でした。

 でも、よくよく考えれば、一般の男性で、特別カッコよくもない老人であれば、逆に美女が近づいてきたら、大いに警戒するでしょうね。ある意味、普通のおばさんであるからこそ、安心するし、ひょっとしたら、再婚してもうまくいくのではと思ったのかも知れません。美人でもなく、ガキっぽいりりちゃんが受けたのも普通の女の子というところが奏効したのでしょう。

 りりちゃんは稼いだ金をホスト通いに使っていたらしいけど、後妻業のおばさんも将来のために貯めるとかではなく、博打や男に使っていたようです。悪銭身に付かず。その点では、後妻業のおばさんとりりちゃんは共通性があります。違いは一つ、りりちゃんは人殺しまではしていないところですか。

 で、この事件を振り返ってみます。りりちゃんは金の提供相手に結婚をちらつかせていたわけではないのでしょう、単に同情心を誘って金を振り込ませていただけのようですね。りりちゃんの容疑は「詐欺罪」となっていますが、何か見返りに提供するものを用意していないのでしょうから、厳密に言ってりりちゃんの「詐欺罪」って成立するのかな。単なる贈与を受けた金の税法上の未申告、所得税法違反に過ぎないのではないでしょうか。

 正直、だまされて貢ぐ男性の方にも大いに問題があるような気がします。りりちゃんは相手に借金の返済に充てたいという理由を付けたらしいけど、そんなことで見も知らずの人に大金を提供する心理が分かりません。でも、ここでは男性側の“瑕疵”には敢えて触れません。名古屋地裁の一審は、彼女に懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡しました。ちょっと重すぎる感じがしますが、裁判所は、女が詐欺の手引書を書いていたのが悪質と問題視したようです。確かに、この女の量刑を軽くすると、同種事件が多発する危険性もありますから。

 小生も老人(金はないが)ですから、ネット上でこの種の誘いが多く来ます。特にSNSの「フェースブック」などで、まったく知りもしない美人の女性から「友達になりませんか」との誘いが来ます。彼女らが何を目的にしているのか。ちょっと知りたいなという思いもあり、対応したい誘惑にもかられますが、止めておきます。無視が一番です。

 上の写真は、小生のマンション入り口に生えている雑草。この橙色の花は外来種で猛毒があるとか、テレビでやっていました。下の方は、良く行く歯医者の診察台の前につるされているフクロウ。フクロウのように賢い人間でありたい。