つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

和歌山のドンファン殺害事件は疑問点ばかり

 3年前に起きた和歌山県田辺市ドンファン事件が新展開し、結婚時55歳も年齢が離れていたという若妻が殺人の容疑で逮捕されました。小生もかつて事件記者の端くれだったので、こういう犯罪に興味があります。昔、ロス疑惑三浦和義事件、林真須美毒カレー事件というのがありましたし、その後、複数の結婚相手を殺した何件かの「後妻業」事件がありました。容疑者が絶対犯行を認めないであろう、こういうミステリアスな事件は興味津々で、被害者、容疑者の当事者には大変失礼ながら、好奇心が掻き立てられます。

 77歳で殺された被害者の野崎幸助さん。あの小柄で、見た目弱弱しそうな爺さんがドンファンだったとは恐れ入ります。彼は女性遍歴について本を書いており、「美女4000人に30億円を貢いだ」ことを暴露しているとか。テレビで見る限り、彼は嫌らしい目つきをした女たらしのイメージはまったくなく、むしろ好々爺の感じ。同性の小生が見ても、悪い感じは持ちません。でも、最初に疑問に思ったのは、あの虚弱体型で果たしてそんなに多くの女性を肉体的に満足させられたのかという点です。

 中学校卒ながら廃品回収業、酒類販売業、そして金融業、不動産業とさまざまなビジネスに手を広げ、大金持ちになったとか。集めた金をどう遣おうと本人の自由で、他人からとやかく言われる筋合いはない。女性につぎ込むのもある意味素晴らしい遣い道であるかも知れません。でも、女性遍歴などを記録(本)として残すべきでありません。本人の品性欠如を表すばかりか、関係した相手の女性に迷惑がかかってしまいます。これは男女交際のルール違反です。彼が書くべきはむしろ、都会でもないところの成り上がり者でも、こんな金持ちになれましたというサクセスストーリーだったでしょう。

 逮捕された須藤早貴とかいう若妻(25歳)は相当したたかですね。北海道の女が当時22歳で和歌山県南部の田辺などという田舎町に”稼ぎ(嫁入り)”に行くのですから、すごい。筋金入りの”後妻業者”と言えるでしょう。先見の明でビジネスを成功させた野崎さんが結婚時、この若妻のドロドロとした野望、ひょっとしたら寿命を縮められるかも知れないという”殺意”になぜ気付かなかったのか。それが最大の疑問です。あるいは、そんな狙いを承知していながらも、なおこの若妻に魅力を感じていたのか、それほど若妻の献身的なサービスがあったのか。

 でも、これまた不思議なのは、須藤容疑者が単独犯であるならば、なぜ結婚後1年も経たないうちに殺してしまおうと思ったのか。野崎さんが死亡したのは、実に結婚の3カ月後という。彼は77歳であれば、それほど余命があるわけない。であれば、少なくとも数年は待っても良かったのではなかったか。同じ和歌山県であった林真須美毒カレー事件では、犯行の”凶器”としてヒ素が使われました。この事件時、マスメディアでは、ヒ素は証拠が残らず、少量ずつ食物などに混入していけば相手を弱らせることができるというような特徴が紹介されていました。後妻業者には”絶好の教材”になったと思うのですが、須藤は若すぎてこの事件を知らなかったようです。

 殺しのブツが覚せい剤とはストレート過ぎます。この薬物は非社会勢力が扱うもので、警察側もそれなりに入手ルートをつかんでいるでしょう。若妻は野崎さんの身体に証拠が残らないよう注射でなく、経口で与えていたようですが、これも経験豊富なだれかの入れ知恵で、そういう組織が絡んでいることが分かります。田舎ですから野崎家の金持ちは有名で、誰もが承知しており、羨望し、そして狙っていた人もいたでしょう。であれば、大掛かりな組織的、計画的な奪取犯罪が起きるのは不思議でないような気がします。

 上の写真は、横浜みなとみらいショッピングモールで見かけた段ボールの芸術。