つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ドンファン身辺関係者、怪しいけど動機が薄い

 歴史上のスペインのプレーボーイの名から「紀州ドン・ファン」なる異名と取っているので、背が高く、筋骨隆々、いかにも色気のある中年男を想像していました。ですが、テレビ映像で見てみれば、背の低い、いかにも弱弱しそうで、実直そうな老人でした。まあ、それでも4000人の美女との交際に30億円も”投資”してきたと豪語しているだけに、相当の金持ちで遊び人であることは間違いないのでしょう。そんな著名な地方人士が謎の死を遂げたとあれば、いやでも関心が湧きます。
 77歳にして22歳の女性を娶るとは、それだけ性的能力があるのかと疑ってしまうけど、それは野暮で余計な詮索。ただ、この歳の差婚を可能にしているのはやはり金の力としか考えられません。週刊誌によれば、22歳妻に毎月100万円の手当を渡し、月に半分ずつの東京と和歌山の二重生活を許していたと言います。相当の自由が与えられていたわけで、女性はハッピーこの上ない。宝くじにも当たったようなおいしい”後妻業”ということになるのでしょう。
 それはともかく、77歳の成金老人がなぜ突然死を迎えたのか。主治医がテレビインタビューに応じて話してましたが、本人は100歳まで生きたいと願っていて、健康には相当気を遣い、わざわざ東京まで定期的に健康診断を受けに行っていたようです。もちろん、麻薬などは無縁であったでしょう。それが覚醒剤が原因で死亡したとなれば、他殺であることは疑う余地はありません。 
 当該老人の家には30カ所以上の監視カメラがあり、死亡した当夜、外部から何者かが侵入したことはないとされています。となれば、家の中にいた後妻業の妻か家政婦の2人が怪しいと思うのが普通です。ただ、動機を推察するに、家政婦は長年老人の面倒を見ていて、それで相当額の給与を得ていたのでしょう。老人がいなくなることで職場を失うわけですから、殺すメリットは何もありません。
 客観的に見て、もっとも疑わしいのは遺産をせしめることになる若妻です。警察も彼女が怪しいと見て、かなりの時間事情聴取をしているようです。ですが、今までのところ、公にされた限りにおいては、矛盾点があるような供述は得られていないようです。若妻の方も、自分が一番疑われると思っていたでしょうから、周到な事前準備、対応策を考えていたでしょう。
 かつて記者として微かに警察取材をした経験者からすると、警察は今、若妻の交友関係をとことん洗っていることでしょう。22歳女性が事件に関係しているとしたら、とても一人で計画、実行できるものではなく、必ず背後に指図する共犯者がいると踏んでいると思うからです。
 老人は死亡時間時に一人2階におり、若妻本人は階下で家政婦と一緒にテレビ鑑賞していたとか。若妻が”殺害”現場に居合わせなかった点がこの事件の謎を深めています。ですが、それは覚醒剤をカプセルなどに入れて飲ませる方法もあります。カプセルは胃での溶解に時間がかかるので、死亡時刻に犯人がそばにいなくても可能。青酸カリを入れたカプセルを飲ませるなどその種の手口は、数多の推理小説でも使われています。
 ただ、若妻が老齢の夫を殺したとしたら、その動機が今いち不明。毎月100万円をもらって遊べる境遇にあるのに、それをそう簡単に捨てられるのか。当該老人はこの若妻に愛想を尽かし別れたがっていたというけど、離婚ならそれはそれで女性の方は相当の慰謝料が取れるはずです。殺人を犯し、それがばれたら、何ら経済的な利益が得られないばかりか、相当年数の監獄暮らしも覚悟しなければならない。そんな割の悪い選択はちょっと考えられないのです。

 上の写真は、横浜港湾内から見た夜のみなとみらい地区。先週、湾内で花火大会があったときに船から見る機会に恵まれました。