つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

若者接種が後回しになるのは政治的理由か

 北野武か誰かは忘れましたが、テレビで「日本でのワクチン接種はなぜ年寄が先なんだ。活動的でより感染させる機会が多い若者を先にするのが筋だろう」と言っていたのを記憶しています。その通りでしょうね。年寄(一応70歳以上とします)はもう十分生きてきたし、後の人生は余禄みたいなもの。であれば、今さら生きることにじたばたしてもしょうがない気がします。が、それでもワクチン会場には徹夜組も含めて、夜も明けないうちから並んだという老人もいて、いや、世の中には結構精力的というか、生に執着する人が多いんだなとしみじみ感じました。

 それだけ精力旺盛ならコロナを寄せ付けない免疫力もあると思うけど、、。それはともかく、なぜ老人の接種が先だろうという点を検証してみます。若者はコロナに感染しても、結構自力で、免疫力で回復することが多い半面、年寄は確かに感染した場合、重症化するケースがあり、病院に運ばれれば、エクモや集中治療室などを占拠する可能性が大です。つまり、老人の感染は医療現場のひっ迫を招く恐れがあるんですね。ワクチンは感染しても重症化を防ぐ効果があるそうで、その意味では老人に接種した方が医療現場にとっては好ましいのかも知れません。

 だが、老人は概して退職者が多く、定期的に通う場所を持っていないので、外に出ない。特に、感染を怖がる人は外に出たがらない。そんな人に先にワクチンを打ったところで、社会全体での効果は薄いような感じがします。それより、毎日満員電車に乗って、しかも密な状態にある職場で働くサラリーマンや、マスク予防などあまり考えず、盛り場で夜遊びする若者にワクチンを打ち、感染力を弱めた方が良さそうに思います。医師の間でそんな意見もあったと聞きますが、テレビのワイドショーでそんな議論は出てきませんね。

 天邪鬼的に勘ぐれば、政府が先に老人をワクチン接種の対象者にしたのは、非常に政治的な意図があったからではないかと思われます。というのは、若者世代はあまり選挙で投票所に行かない。半面、老人は政治的関心が高く、投票率も低くない。しかも2009年総選挙でも見られたように必ずしも老人イコール保守、自民党支持ではない。現行政治の良い、悪いを端的に評価し、投票行動に移す嫌いがある。そこで、政府・自民党もあと半年以内に実施される総選挙のことを考えて、老人を手厚く保護する姿勢を示さざるを得なかったのではないかと思われます。

 と言うことで、改めて最近のワクチン接種事情を見ると、地方の大規模会場ではそれほど人が混んでおらず、最初のころの押すな押すなの”盛況ぶり”は影を潜めた感があります。横浜のハンマーヘッド会場も結構透いているとのこと。ある情報によれば、日本でワクチン接種を受けたくないという信念の忌避派が全体の4割弱いるとのこと。小生が昨日飲み会をした女性3人も信念の忌避派でした。逆に、我先に打ちたい人たちが3割程度、あとは小生を含めてどうでもいい、いつでもいいという人が3割程度と見ると、6月も半ばに入れば、積極派はすでに終わり、もう中だるみの状態に入ったのかも知れません。

 信念の忌避派で思い出しました。ニュースを見ていたら、京都府伊根町で、12-15歳の子供たちにコロナの集団接種を進めようとしたところ、「子供にワクチン接種は止めろ。やったら殺すぞ」という脅迫状が町長のところに舞い込んだそうです。町役場は町民に良かれと思い、粛々と行政を進めているのであって、町長を脅迫するほどのことではない。もし子供本人、あるいはその父母がワクチン嫌いなら、自分だけ拒否すればいいだけのことであって、接種を受けたいという子供やその家庭まで巻き込むことはないと思います。

 ちなみに、小生は、昨年秋インフルエンザの接種をしてもらった近くの行きつけの町医院にコロナワクチン接種を頼みましたが、このほど第一回目は6月下旬、第二回は7月中旬にできるとの通知が来ました。神奈川県は遅いと言われていますが、その通りでした。あまり外に出ない老人にとっては大した遅れではありませんが、、。

 上の写真は、小生の散歩コース、伊勢佐木町モール裏手にある長者町商店街の壁に書かれた絵。

(1) 少しは私に愛をください - YouTube

 井上陽水来生たかお小椋佳という豪華3人の出演。