つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民主主義国家であればこそ徴兵制度は必要

 先日、知人との会話で出た話ですが、春めいてきて桜が咲き、マンボーもなくなり、本来なら心が浮き立つ季節になったのですが、どうも今一つ心が晴れません、快哉が叫べません。コロナがまだ完全消滅したわけではなく、それどころか再び感染者上昇の感じすら漂わせていますし、加えて、ウクライナでは、相変わらずロシア軍が住宅地などにミサイル弾を撃ち込んで、住民を殺傷しています。遠い異国とはいえ、戦争に遭って悲しい顔をした人たちがしばしばテレビに登場すれば、気分がいいわけありません。春が来た楽しさなど吹き飛んでしまいます。

 それにしても、ロシアはそもそも何を目的に戦争を始めたのか、その目的が明確に分からないので、収拾の見通しも出てきません。ウクライナNATO入りを阻止するというのであれば、ゼレンスキー大統領が再三「NATOには入らない」というインディケーションを出しているので、その目的は達したように思います。ですから、本来ならもう戦闘を止めてもいいはずです。

 それともプーチンクリミア半島、ドンパス地方に限らず、マリウポリを含むウクライナ南部の海浜地帯全域をロシア領にしたいのか。領土獲得野心があるとすれば、ずいぶん強欲だと思います。まさに、ナチスドイツをほうふつさせる20世紀型の露骨な侵略行動です。当該地域の民は、自由も民主主義も言論の自由もない、自由な意思表示もできない、独裁者のいるロシアにそんなに行きたいものか。やはり、自由を愛する国民はウクライナにとどまることを望むのではないか。

 今、ウクライナは18歳から60歳までの男子の出国を禁止しています。美しい山河、素晴らしい政治、社会制度、愛すべき国だと思うならば、自分たちの手で外国の侵略者から国土を守り抜くという信念を持ち、行動を取るのは極自然なこと。ウクライナ政府の取った措置は当然だと思います。かつて400万人くらいの人口のフィンランドソ連に冬の戦争を仕掛けられた時、国民に総動員をかけました。その結果、20万人弱の軍隊が結集し、50万人のソ連侵略軍を相手に戦い、相当の犠牲を払いながらも国土の完全占領は許しませんでした。強い信念が士気を高めたことは言うまでもありません。

 その意味では国民に国土防衛意識を植え付けさせる徴兵制度というのは合理的だと小生は理解します。徴兵制度はフランス革命で初めて本格的にスタートしたように民主主義とは切り離せない関係にあります。しばしばソ連に侵されたフィンランドも、周りが大国ばかりの中で永世中立を保っているスイスも、今、徴兵制度を持つことを含めて相当な軍事国家になっています。ですから、国土に愛着を持たず、戦争が起これば我関せずとばかりに外国に逃げてしまうような人は戦乱が収まっても戻ってきてほしくない、住む資格はない人種だと小生は思います。

 ついでに言えば、戦争になるといつでも若い世代が犠牲になることが多いのですが、老人がもっと戦争に参加してもいいように思います。老人は白兵戦、肉弾戦では負けますが、一定の距離で撃ち合いになるのでしたら、銃の引き金くらいは引けますので、これからも長い人生が続く若者より先に徴兵されてもいいのではないか。もう十分生きたから、残りの人生は公のためにささげたいと思う人は多いはず。そういう人が真っ先に徴兵に応じるべきです。

 上の写真は、グーグルのピンタレストから抜いた画像。

ロシアが恐れた“白い死神” 「ロシアに屈しなかった国の論理」で読み解くウクライナ戦争【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年3月30日) - YouTube

 上のサイトは、友人から送られてきたもの。フィンランドがいかにソ連の侵略から国を守ったかが描かれている、素晴らしいルポです。