つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

防衛戦争と侵略戦争の違いを知るべきだ

 昨日というか、今日早朝、ミッドナイトから未明にかけてNHKで「ウクライナ大統領府、軍事侵攻、緊迫の72時間」などウクライナ戦争絡みのドキュメンタリー番組を一挙放送していました。風呂上りで寝る前にちらっと見ようとしていたのですが、あまりにも興味深く、途中で止められない。結局2時近くまで見続けてしまいました。その中でしみじみと感じたことは、ロシア人民は戦争など決して望んでいない(当たり前か!)、戦争を引き起こしてるのはプーチンとその取り巻きだけだということ。

 プーチンはかつてロシアの地からナチスを追い出したスターリンを偉大視し、その”栄光の歴史”を再現しようと自らも”英雄”気取り。ロシアの歴史に名を残そうと思っているようです。だが、誰が見たってスターリンとは違う。スターリンもかなり乱暴に兵士を扱い、大祖国戦争で2600万人の同胞を死に追いやったが、これはあくまで自国に踏み込んできたドイツ人を叩きだそうとした防衛戦争の範囲なのですから、まだ許せる。プーチンのやった「ウクライナの特別軍事作戦」は動機が不明であり、明らかな主権国に踏み入る侵略戦争。とても同一視などできない。

 「ウクライナのネオナチをやっつける」などとプーチンは言っているが、国際的に何の説得力も持ち得ない。ロシア国民だって、インターネットでさまざまな情報が得られる現在、こんな詭弁に騙されるわけがない。NHKのドキュメントを見る限り、多くのロシア人がこのプーチンの論法が騙しだと承知しており、今、かの国の侵略軍兵士の間では厭戦気分が蔓延し、多くの脱走兵が出ている。そして脱走兵の中には、ウクライナ軍に加担して祖国の軍と戦おうとする者まで現れているとのことです。

 ロシア軍はすでに20万人近い死傷者を出していると言います。戦死者だけでも、アフガニスタン戦争時を大きく上回って10万人を超えていることでしょう。驚くことに、私兵軍団「ワグネル」に加わった囚人兵は、バフムトで無意味な突撃作戦を繰り返していますが、その方法はあきれるばかり。第一陣が武器を持って突撃し、全滅すると、後続の第2陣の兵士たちは素手で前進し、戦死した第一陣の武器を拾ってさらに前進する。その第2陣が戦死すると、さらに後続の第3陣が2陣の武器を拾って突撃するという。前に進まないと、督戦隊によって後ろから頭を撃ち抜かれるのです。

 人命無視の何と愚かな戦法か。昔の日本軍の玉砕突撃だって、旧式の38式歩兵銃かも知れないが、兵士一人ひとりは銃を持っていたはずです。まあ、囚人に人権はないし、生きていても碌なもんじゃないから戦死してほしいとロシア当局は願ってこんな戦法を取っているのか。となると、ロシアというのはなんと下卑た、低劣な国かと思わざるを得ません。こんな国が我が国の隣国なのですから、おぞましい限り。品格最低の国に対抗するには、覚悟を決めてそれ相応の防衛軍事力を持たなくてはなりません。

 このドキュメントを見てさらにしみじみ思うことは、人間は祖国、そこに住む同胞、さらには愛すべき制度、自由と民主主義を守るという崇高な目的、動機があれば、死ぬ覚悟ができるということ。反対に、独りよがりの独裁者の命令を受けて他国の領土に踏み込む侵略戦争では兵士の士気は高まらないし、結局、占領地での略奪、強姦という低次元の欲望に走ってしまうことになる。今日本の左翼の中には、バカの一つ覚えのように「戦争反対」という人がいるが、戦争にもいろいろある。崇高な防衛戦争と卑劣な侵略戦争の違いがあることを知る必要があります。

 上の写真は上野界隈の風景。アメ横ガード下の呑み屋。アメ横商店街の中で売られている昆虫食。こんなもの自販機で売れるのか。