つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

大統領の占い師なら超世俗的であれ

 なんだか韓国という国はいつも騒がしいし、何をやっているのか分からない国です。現在大問題になっているのは、朴槿恵(パククネ)大統領が親友と言われる、恐山のイタコみたいな民間人崔順実(チェスンシル)女史に国家の重要機密を漏らし、国政の判断を仰いでいたということ。でも、よくよく考えると、国家の指導者が判断に迷い、神霊的な人を求め、方向性を決めるヒントをもらうことはかつてもよくあったように思います。
 米国のレーガン大統領もナンシー夫人の誘いで、ジョーン・キグリーとかいう女占星術師に頼っていました。就任後すぐに発生した大統領暗殺未遂事件がきっかけになったと聞いています。レーガン氏はこの事件で世俗社会では予測し得ないことがあると知り、”神”の啓示を受けるようになったのでしょう。大統領機の離発着、記者会見、ブリーフィングの時間、自身のがん手術の日程まで決めてもらっていたそうです。
 レーガン氏はまた、「赤の帝国」ソ連嫌いで有名でしたが、キグリーから「ゴルバチョフとは相性がいいので会うように」と勧められて会う気になり、ソ連大統領との会談にこぎ着けました。これがソ連崩壊のきっかけになり、東西冷戦が終わったのです。となれば、女占い師が歴史的な戦後国際政治の枠組みを変えたとも言えるのでしょう。
 小生が5年近く住んでいた香港では風水学が盛んでした。ですから、金持ちの経済人は家の前は海や川の水辺、後ろは山のような風水的に良い地形のところに住みたがりました。著名な経済人の李嘉誠氏は確か香港島南の深水湾でそんな地形の豪邸に住んでいました。風水は商売判断の上でも多く使われているようです。一説には、中国の指導者も風水に頼っているとも。
 朴槿恵女史は早くに暗殺で両親を亡くし、兄弟姉妹との関係も悪く、孤独な人と言われています。ですから、神霊的なものに頼るというのはある意味自然なことでしょう。崔順実女史と親しい関係であれば、相談の中で、国家機密を漏らすことも多分にあったかも知れません。程度問題ですが、これも致し方ないことでしょう。
 崔順実女史は単に友人指導者に”神”のお告げをするだけなら問題なかったと思います。でも彼女はそれにとどまらず、政府の金などを関係財団に流し私腹を肥やしたり、身内の不正入学に関与したりしていました。この辺は、自身の霊媒師的な立場を忘れ、実に人間的な、泥臭い、いやらしい性格を見せてしまったのです。
 世上、金の嫌いな人はいませんが、霊媒師であるならあくまで超世俗的な存在であってほしかった。朴槿恵が頼る占い師と分かれば、後から、占い業だけでも十分金儲けはできたはずです。朴女史がまさに権力を握っている時に、その友人の権力を利用して、金集めに走るというのは実に通俗的で、情けない限りです。

 上の写真は、友人のお孫さん。春に小生が抱えた時には首も座らなかったのに、秋にはすでにハイハイし、つかまり立ちもするようになっていました。