つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ゴマすりも悪いことではないが…

 自由主義の国日本であるので、原則他人を害さない限り、何をしても自由なんでしょう。ですが、まだ政治の仕組みなどまったく分からない6歳未満の子供に「安保法制、国会通過よかったですね」と言わせる幼稚園というのはちょっと異常、いかがわしい感じがします。経営者にどういう意図があるのか。単に思想信条の発露だけのことか、それとも別においしい結果を期待してのゴマすりなのか。
 確かに「君の考え方はすばらしい」「君の行動は尊敬に値する」などと他人から過剰にほめられると、最初は嫌味にも聞こえるものの、何度も聞いているうちに悪い気がしなくなります。ですから、小生も授業の中で学生に対し、「他人はほめ過ぎるくらいほめろよ。ゴマすりだと分かっていても、相手はだんだんその気になって、気分が良くなる。人間関係もスムーズに行くよ」と冗談交じりに話しています。
 安倍首相も昭恵夫人も、森友学園の幼稚園児から「首相ガンバレ」と言われて悪い気はしないと思います。ですが、正直なところ、この学園理事長がわざわざ園児をダシに使ってこう言わせることにはいかがわしさ、いやらしさを感じます。さらに、法律も知らない幼子に安保法制まで言わせるのは無理がありましょう。身体の仕組みを知らない幼稚園児に「子供はこうやって作るんです」などと教えることに等しい、発達段階を無視した飛躍の”教育”だと思います。
 「おいしい結果の期待」と書きましたが、森友学園に大坂の国有地が廉価で払い下げられていることが明るみに出ました。まあ、博打場や娯楽施設に使われるのではなく、しっかりと教育の現場として再生されるのですから、本来それほど目くじらを立てることでもないのでしょう。ですが、この土地取引にもし政治家が絡んでいるとしたら、一大スキャンダルになってしまいます。
 森友学園安倍昭恵首相夫人が名誉校長になっていました。二世議員で資金豊富な安倍首相夫妻がこの土地取引で賄賂性の金を受け取っていたとは到底思えませんが、ただ、首相夫人が名誉校長であると知れば財務省に無言の圧力がかかるでしょうし、万万が一、昭恵夫人が麻生財務相らに一言ほのめかしていたとしたら、大問題です。そんなことはないと信じますが、、。
 過剰な民族主義の鼓吹、自民党支持の表明も変ですが、反対に小中学校、高校レベルで、法律で制定済みの国旗・国歌の存在を否定し、国家の枠組みをなるべく低く見て、国の安全保障を意図的に教えない教師がいることも大いに問題です。国家の存在の必要性、ありがたさは、昨今の内戦、シリアなどの難民の姿を見れば簡単に理解できることで、小中高生に限らず、たとい幼稚園児でも感覚的に分かります。
 そういう現実を映し出すさまざまな材料を提示し、子供に考える機会を与え、その後に子供が疑問を呈したら、それに答えるようにしたらいいのではないか。未発達の幼子に対しアプリオリに一定の価値観を植えつけるとしたら、右にしろ、左にしろ問題。北朝鮮の洗脳教育と変わらなくなります。

 下の写真は、香港の繁華街チムサッチョイにある重慶大厦(チョンキン・マンション)。このビル3階にあるインド料理店「タージマハール」はおいしい店で、小生は香港に行くと必ず寄ります。