つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

鳩山総務相の辞任はうさんくさい

 なんだか、第三者的に見ていると、今度の郵政問題をめぐる鳩山邦夫総務相日本郵政西川善文社長のバトルと、その後の鳩山総務相の辞任というのは、分かりにくい構図に見えますね。鳩山氏は、西川社長がかんぽの宿を一括で安値でオリックスに売ろうとしたと怒っていたけど、じゃー、現有従業員の雇用を含めて一括でもっと高く買ってくれるところってあるのかよと問いたくなってしまいます。100億円ちょっとという値段は、第3者委員会が下した現在のかんぽの宿の評価額であり、一つひとつの物件をもってこれは安すぎるなどの評価はできないと思うのです。
 日本郵政がこれから本格的にホテル、レジャー事業に乗り出すと決めていれば、売ることはないと思いますが、今、このままかんぽの宿を続けると、数10億円の赤字が垂れ流され続けるわけで、民間会社であれば、早く手放すに越したことはありません。
 鳩山氏は、西川氏の首を切って今度は郵政官僚OBを社長に就けようとしているようですが、これっておかしくありませんか。もともと郵政省直轄の公営事業体時代に、つまらぬ、採算度外視のかんぽの宿を造った張本人は郵政官僚でしょう。その連中がふたたび、厚顔にも民間会社の日本郵政トップの地位を奪い返すというのはナンセンスの極み。そんな官僚たちの尻馬に乗って、あざとい人気取りに走ったのが鳩山総務相ではありませんか。
 この問題は冷静に見極めなければなりません。かんぽの宿を造ったのは、一部の郵政族の国会議員とそれとつるんだ元郵政省の官僚であり、彼らこそかんぽの宿の損失の責任を取るべきです。そのころ住友銀行にいた西川氏の責任ではありません。彼がなぜ責任を取らなければならないのか。現時点では、日本郵政は黒字化しているでしょう、民営化の実を上げているのではありませんか。そんな人にいちゃもんをつけ、独り相撲のように総務相も辞めてしまったあの鳩山氏のパフォーマンスって、いったい何なんだろう。
 深読みすれば、次期総選挙で自民党は勝ち目がないので、今のうちから閣外に去り、麻生自民党政権と距離を置き、さらに批判勢力として選挙に臨めば、少なくとも自らの当選は確保できるのではないか、などというあさましい考えを持ったためでしょうか。いずれにしても、総務相辞任には、なにか裏があるように感じられてなりません。
 下の写真は、横浜みなとみらい地区にある赤れんが倉庫。