つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

渡辺謙の演技はすばらしい

 20、21日の土、日曜日の夜、2日間にわたってテレビ朝日の記念番組「刑事一代−平塚八兵衛昭和事件簿」を見てしまいました。正直とても面白かった。何といって渡辺謙さんの演技が見事でした。小生は、役者としての謙さんをNHKの大河ドラマ「独眼竜正宗」のときから注目し、同じ大河の「時宗」のときに、時宗の父親時頼を演じたとき「これはすごい」と思いましたが、今回、彼の演技力はさらに磨きがかかった感じがしました。映画「ラストサムライ」のときはともかくとして。
 小生の年齢からすると、さすがに帝銀事件の記憶はありませんが、吉展ちゃん事件は子供のころながら、よく覚えています。事件が迷宮化しかかったとき、八兵衛さんが犯人小原保のアリバイを崩し、自供に追い込んだことは知っています。日暮里の大火事を山手線から目撃したと小原が”雑談”、これは、彼が主張するアリバイと矛盾することを見逃さなかった八兵衛さんの洞察力は職業刑事の鏡というべきものでしょう。このアリバイ崩しは当時、語り草となりました。
 劇中でも、拘置所の取調室での刑事と犯人の攻防、はらはらどきどきでした。渡辺謙高橋克実が演じる両刑事の演技もさることながら、小原保役の萩原聖人君もすばらしかった。ちゃらんぽらんとした役者だと思っていたが、なかなかの味があり、かつ凄みもあって引き付けられました。
 もう一人、印象に残ったのは、事件簿2つ目の銀座警備員殺しで犯人の妻役をした余貴美子。彼女は、「おくりびと」でも日本アカデミー賞助演女優賞を取っていますが、表情、特に目の演技ができる人だなと感心しました。役者の演技はセリフ回しだけではないんですね。今回、なんだが、脇役陣も芸達者がそろった感じがします。監督がそれだけの人をそろえたのか、それとも渡辺謙さんの魅力が他の役者を呼んだのか。
 残念ながら、舞台の狂言回し役となる産経新聞(劇中は産政新聞)記者と女性カメラマンの演技は画竜点睛を欠いていました。まあ、小泉元首相の七光り息子に過剰な期待も無理でしょうが、、。
 下の写真は、これも横浜みなとみらいの一風景。開港150年を記念した博覧会場、未来シアターにある大地球儀。