つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北朝鮮空爆のシナリオあるかも

 脱北者支援団体がユーチューブ動画上に出し、注目された朝鮮人男性は、マレーシアで暗殺された金正男氏の子息、金ハンソルさんで間違いないようです。元記者である小生はついついこの時期に息子の動画が出てきた意味を考えたくなってしまうのですが、彼の支援者として駐韓国オランダ大使も絡んでいるようですし、それは恐らく十分な意図があってのことと邪推しています。
 ハンソルさんは動画で、「父親は2日前に殺された」と明言し、北朝鮮の現体制の異常さを指摘するとともに、「いつか祖国に帰って、民衆のために尽くしたい」などと話しています。また、彼のバックにオランダ、中国、米国の存在があることも示唆しています。一方、北のミサイル発射に対し、米国のヘイリー国連大使は「(北の暴挙を抑えるために)あらゆる選択肢が考えられる」と述べています。
 この2人の言葉のインディケーションを裏読みするに、米国トランプ政権は今、真剣に北朝鮮に対し軍事的なオプションを考えているのではないか。ドナルド・レーガン大統領は1986年、米国非難を繰り返し、ハイジャック、爆破事件まで起こしたリビアの指導者カダフィー大佐に対し、突如ピンポイント空爆を実施しました。それでレーガンへの支持率がぐっと上がりましたが、トランプはどうもその再現を狙っているようです。
 もし、米国が北朝鮮空爆するとなると、中国の事前同意が絶対必要ですが、それはもうできているのではないかと思われます。その根拠は、金ハンソルさんが動画発言で、支援国として米国とともに中国を並列させているからです。米中ですでに北朝鮮金正恩現指導部を排除し、後継を金ハンソルとすることで合意がなったと小生は推察しています。
 中国にしても、言うことを聞かない金正恩は感心しない。ただ、朝鮮半島を分断している今の状況は壊したくないとの思いはあり、北朝鮮を存続させながら金正恩の代わりに金ハンソルを据えるというシナリオは考えているはずです。かつて中国は父親の金正男を据える工作をしたようですが、どうも金正男は軽薄そう。その点、息子は聡明そうなので北のトップに据えるには申し分ありません。
 米国がピンポイントで北の核、ミサイル施設を破壊したり、金正恩を斬首したりしても、中国は南北分断状況さえ変わらなければ良しとするところがあるでしょう。朝鮮半島統一でできる「統一朝鮮国」とはすわわち韓国中心の国家ですが、韓国が鴨緑江豆満江を挟んで中国の隣国になることを中国は望みません。韓国には米軍が駐留しているのですから、中国には大いなる脅威となってしまいます。
 中国は朝鮮半島の南北分断が好ましいと思っているが、同時に日本にとっても統一朝鮮国イコール「大韓国」ができることは、かの国が反日的であることから望ましくない。北朝鮮にヘンな指導者がいない限り、分断されていた方がいいというのは日中両国の願いなのです。であれば、米軍がピンポイントでヘンな指導者を排除し、少しは開明的な指導者が出てくればハッピーということでしょう。
 米軍による北朝鮮空爆のシナリオがあるとすれば、確実にミサイルサイトをたたき、中枢指導部の排除を目指さなければなりません。北はすでに中距離弾道ミサイルを持っているので、金正恩がいる限り、すぐに報復に出る可能性もあるからです。やるなら、事前調査、周到準備に基づいた確実なアタックが必要でしょうね。きな臭い話で申し訳ありません。

 上の写真は、上海市の繁華街・南京東路の夜の風景。