つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

首相の”ゴリ押し”あってもいい

 今日から6月、もう夏なんですね。つい先日まで肌寒いとか、桜の季節だとか言っていたのに、もう紫陽花の季節になりました。ひまわりが咲く時期も間近です。季節の巡りは本当に早い。それはともかく、今、国会の様子を見ると、加計学園問題なるものが焦点になっています。これを見ての第一感は、安倍首相はよほど教育関係に関心があって、いろいろ主体性を発揮したいのだろうなとの印象です。
 先般は籠池泰典氏が造ろうとした大坂の「瑞穂の国小学校」の土地買収問題で、安倍氏の妻が絡んでいたとかいなかったとかでもめました。その次に出てきたのが、加計学園が愛媛に計画した獣医学部の設置認可に絡む話です。安倍首相は第一次内閣の時に教育基本法改正に手を着けました。安倍氏はなぜこうも教育問題に熱心なんでしょうか。
 加計学園問題で、前川喜平なる元文科省事務次官が突然しゃしゃり出てきて、「現在、獣医学部など必要ないのに、安倍首相がゴリ押ししたため設置を認可せざるを得なくなった」と言う趣旨で発言しました。これは明らかに、在職中のことを漏らしてはならないとする国家公務員法守秘義務違反ですから、彼にしてみたらこの行動は一世一代の大博打なのでしょう。
 前川氏は先に、文科省職員の大学教授天下り問題で次官を引責辞任させられているので、マスコミ報道によれば、暴露はこの恨みつらみから出た反発行動とも言われています。そうだとしたら、遺恨で以前の主筋(首相や官邸)に嫌がらせをするというのは情けない行動だし、本人の将来にとっていいことだとも思えません。暴露官僚が出たことに他の官僚は戸惑い、多くは迷惑に感じていることでしょう。
 獣医学部の設置認可に首相が介入しているかどうか。これは前川氏の主張に対して、官邸側は否定しています。万一、あったとしても文章は残っていないので、どうにもならないでしょう。たとい前川氏が国会で証人難問されようと、恐らく真実は明らかにされないと思います。で、小生がこの問題をどう考えるかと問われれば、恐らく首相の一定の”サジェスチョン”はあったのではないかと思っています。
 では、そのサジェスチョンが問題かと言えば、小生はそうは思いません。政治家が何のために首相、権力の頂点を目指すのか、それは一定の範囲内で自らの政治的な意思を通したいと思うからでしょう。首相が友人の意向を受けたにしても、愛媛県獣医学部が必要と判断したなら、それは少し強引な方法にしろ押し通してもいいのではないか。手続き論に言えば、国家戦略特区という一定の法律的な枠組みはできているわけですし、、。
 首相が一定の範囲で裁量を示すというのが、まさに権力の象徴でしょう。箱もの造りで、もしその権力者が多額の見返り、賄賂などを受けているとしたら大問題ですが、政策的な優先性を強調するのであれば問題ないと思います。逆に、首相が何の意思も示さず、官僚の出してきた原案を追認するだけなら、首相いや権力者になる理由がなくなります。

 上の写真は、千葉県銚子市犬吠埼灯台わきのホテルで飼われているペンギン。