つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

元台湾外交官、張超英さんの本

台湾政府の駐日代表処で広報担当をしていた張超英さんという人がいました。いましたと言うのは、昨年、不幸にして70歳ちょっとの年でかの地に旅立たれてしまったのです。
なかなか、情報通であり、人づきあいがよく、多くの新聞記者に好かれました。小生も懇意にしていただき、日本でも、台湾、米国(引退後は米国と台湾に半分ずつ住んでいた)に取材に行った際もいろいろお世話を受け、小生の30年の記者生活の中でも忘れ得ない1人です。
その彼が、亡くなる直前、自らの運命を感じたように半生記(実際は、ほぼ一生記)を出版しました。台湾のジャーナリストがインタビューの形で張さんを取材し、中文で書いたものです。この本を通しで読んでみて、張さんの生き方のスマートさ、素晴らしさに改めて感じ入りました。
そう思ったのは小生1人でなく、他のジャーナリスト、出版社の方もいらっしゃって、これを日本語訳にして出版しようという話になりました。そこで、翻訳メンバーが9月18日夜、日比谷の日本プレスセンター談話室に集まり、分担を決めました。(下の写真)脱稿のめどは来年1月、出版は3月ごろになりそうです。
張さんも祖父(炭鉱王)も父親も植民地時代の台湾に生き、日本と強いかかわりを持っています。ですから、著書の中には、戦前の貴重な話があるほか、張さんが代表処新聞組長のときに展開した対日メディア工作や有名人との交友関係も出てきて、これまた面白い内容です。小生はこの戦後の対日工作部分を分担翻訳します。ぜひ、ご期待ください。