つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ダンボール入り肉まんは事実?

先週土曜日13日、知り合いの宮崎正弘さんの仲介で、中国人のフリージャーナリスト、周キン(京のへんに力のつくり)氏や翻訳者の廖建龍さんらと会食しました。周氏は、「中国の危ない食品」という本を最近、日本で出版したため、わざわざ北京からプロモーションで日本に来ていたのでした。
 すでに、産経新聞はじめ多くの雑誌やラジオ・テレビのインタビューに答えているので、その顔を知っている方も多いと思います。反体制の象徴である長めの髪をし、太めの体でよくしゃべる、愛嬌のある中年男でした。出身地の西安で、6・4事件のときにデモを扇動した罪で2年8ヶ月、獄につながれたそうです。それでも、共産党の体制に厳しい眼を向けている姿勢は変わらず、筋金入りの自由主義者と見ました。
 周さんはわれわれに、忌憚なくなんでも話しました。共産党大会の人事、人権の問題、もちろん食品のことも(中国ではタブーになっている)。マスコミやインターネットが管理され、体制迎合の一元的なニュースしか流されない中国で、周さんのような自由主義者がいることは、小生にとっては救いでしたし、ある意味、中国が健全な国に向かっている感じを受けました。
 ところで、周さんの食品の話で興味深かったのは、北京のダンボール入り肉まんは絶対あったと確信を持っていること。周さんの話では、あのニュースをスクープした記者は、かつて偽ひつじ肉をすっぱ抜いたこともあり、うそを伝えるような記者ではない。あの事実の反響が大きかったので、当局は、映像のでっち上げを理由にして、まるで事実がなかったかのように装ったが、実際はあるとのこと。
 北京で、10個6元程度の肉まんなどで採算が取れるわけないので、いろんなものを混ぜている。しかし、地方から出てきている民工(出稼ぎ労働者)などはそれを知っていても、背に腹は代えられず、食べているというのです。中国に何度も行っている小生としても、それは理解できます。かわいそうなのは民工。上海の百貨店では、60元のまぐろ刺身パックが飛ぶように売れていることを知るにつれ、格差のひどさにため息が出るばかりです。
下の写真は、紅葉が始まったかなという感じの栃木県・八丁の湯の旅館。