つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

登山家は肉食を絶ち、禁欲になるべき

higurashi-takanori2007-11-15

友達が主宰している勉強会の講師として、登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)君(右の写真前)が来てくれました。彼は、無酸素・単独で8000メートル級の山を登る日本でも稀有なアルピニストです。いかつい男を想像していましたが、小柄でなんととても素直な若者(25歳)でした。話しぶりもまじめで決しておごることもなく、小生はとても好感が持てました。
彼の話では、山好きの女性に振られたことが理由で山に登り始め、山にはまったとのこと(ちょっと変)。大学では山岳部の所属、道産子だけに北海道の雪山を走破し、3年生のときに初めて海外遠征、アラスカのマッキンリー山を単独で登頂した。その後、南米、アフリカなど5大陸の最高峰をクリアし、7大陸すべての最高峰登頂(セブン・サミッター)を目指し、あとは南極とユーラシアのエベレストを残すのみとなりました。その南極は今年冬に挑み、エベレストは来年予定しているといいます。ただ、ヒマラヤはすでに8000メートル級のチョ・オユーを登っているので、エベレストのクリアもそれほど難しくないと思います。
彼の話で面白かったのは、登山家は7000メートル以上の高度になると必ず幻覚、幻聴があるといわれており、彼も南米アコンカグアの60度の氷壁を夜中に登っているときに、近くにヘッドランプを付けないで登頂中の西洋人の幻覚を見たそうです。「おいでおいで」と手招きするので、彼の方に近寄っていったら、いなくなったと言います。
また、無酸素登頂にこだわるため、肉は食べないとのこと。彼によれば、肉で作る筋肉は酸素を多く取るので、野菜中心の食生活になっている。さらに、面白かったのは、山には女性の神が宿るので、登山前は女性を絶つ、禁欲生活を送るとのこと。これは、ある意味迷信なのでしょうが、こうして普段から厳しく自分を律していないとやはり目的を成就できないと思っているのでしょうね。類まれな若者です。印象深かった彼の話はまた、次回も続きます。