つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

これでいいのか、道徳なき学生

先般、小生の中国語の授業中、机の上に突っ伏して携帯をいじっている学生がいたので、「お前は教室から出て行け」などと激しく叱りました。彼は毎回、こうしたことをしていたので、小生も少し感情的になってしまいました。
が、その後、彼が取った行動は、授業中、ペンをカチカチ鳴らして授業を妨害、挙げ句に授業が終わったあと教員の控え室に来て、小生に「先生は出て行けといったけど、僕は授業料払っているのだ。どうしてそんなことが言えるのか。教務課に言いに行く」と言うのです。多分、いままで親からも怒られた経験がなかったのでびっくりし、さらにそのびっくりが怒りに変わったのでしょうか。
小生は「分かった。では教務課に一緒に行こう」と彼の腕を取ろうとすると、「何ですか、これは。暴力行為ではないですか」などと言う。自分を反省することなく、怒りに任せてこういう行動を取るこんな学生がいるのかと、小生は半ばあきれて、「お前、こんなことじゃ、社会に入っても通用しないぞ」と言うと、「ほっといてください」と言うのです。ばかばかしくなり、ほうっておきましたが、彼はその後教務課に行って針小棒大に報告したようです。
小生は、むしろこの学生を見て、哀れみました。これまで一切、道徳教育を受けてこなかったと思ったからです。小生には子供はおりませんので、そうした事情はよく分かりませんが、今の一般家庭では概して家庭教育ができていないし、さらには小学校から高校まできちんとした道徳教育を受けていない(あるいは先生側が放棄してきたか)と感じました。
でも、これでは、結局、実社会に出て損をするのは当の学生なのです。今こそ、実社会といちばん接点が多い大学で道徳教育をすべきではないかと思うのです。大学は「研究」と「教育」の場だといわれますが、研究などしている場合じゃない。道徳観の欠如が社会に有害であることは、オウム事件サリンを作った連中の例でも十分知らされたはずです。

下の写真は、四川省の赤水という町でのスナップ。一緒に写っている方は、新宿にある女子大の先生です。