つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

唇ピアス、赤の他人から叱責されることか

 小生が受け持つ大学中国語のクラスでは、毎回学生に対し、「先週からの1週間で何か面白い出来事なかった?」「みんなに楽しんでもらえるような話ないの?」と聞き、話のある人には紹介してもらっています。1コマ1時間半の授業時間は、あまりにも長すぎるので、長年の教師の経験から、こんな息抜きも必要かなと思い、そういう時間を設けています。すると、ある女子学生が「先生、先日こんな話がありました」と自らの経験話を披露してくれました。

 その学生は、唇に輪っか状のピアスをしているのですが、千葉県内の駅のホームだか電車の中で、見ず知らずの中年男性から、それを見とがめられ、「お前、世間をなめとるのか」と叱責されたというのです。恐らくその男性は唇ピアスをした若い女性を異様に思い、思わずそう発したのでしょう。

 何か自身が迷惑を被っていることについて、クレームをつけるのはよくあることです。だが、個人的に関係ない人が、別に自身への迷惑にもなっていないことについて、公共の場所で他人をののしるというのは最近では珍しいケース。ですから、小生も「ほほう、そんなことをいう人がいるんだ」と思わずうなってしまいました。別段、危害を加えられたわけではないので、それはそれで無視すればいいだけの話。当該女子学生も激しく怒っている風でもなく、「オシャレが分からないジジーが勝手に何か言ってた」といった感じの受け取めようでした。

 世間にピアスをしている人は大勢います。ぱっと見ると、現に女子学生が属するこの中国語クラスの中にも男女数人が耳ピアスをしていました。小生自身は、海外に行くことが多いし、インターナショナルシティーの横浜に住んでいるので、鼻や目じりにもピアスした人も見かけます。唇ピアスも立派な個性の表現であり、他人がとやかく言うほどのものではないと思います。

 多分、小生が街中で鼻や唇ピアスの人と会ったら、個々人の自由な”装い”、オシャレとしか思わないでしょう。でも、最初の授業の時に女子学生のその姿を見たときには若干驚きました。なぜなら、語学の初級では、発音などで唇の形が重視されます。唇に異物があるのはちょっと困るのです。で、それをストレートに言うのも口幅ったいので、皮肉交じりに「食事の時に困らないの」と聞くにとどめました。

 彼女は語学の授業には不釣り合いという点を察知したのか、最近は授業での唇ピアスはなくなりました。で、「最近は唇ピアスは止めたの?」と聞いたところ、口を開け、その中を見せてくれて、「ここにやっています」と言うのです。舌にピアスをしていました。これには正直、驚きました。しみじみ、年齢の差を感じています。

f:id:higurashi-takanori:20190608224150j:plain

f:id:higurashi-takanori:20190608224107j:plain

上の写真は、東京・日本橋わき、野村證券本社前の桜(上)、藤沢市湘南台の引地川の桜(下)。暑い季節になったので、桜が咲くころの陽気が懐かしくなりました。ちょっと時季外れですが、、。