つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

秋葉原事件の理不尽さ

 世の中に理不尽なことは数多いのですが、先週日曜日、秋葉原歩行者天国で起きた事件ほど腹立たしいことは、最近ではありませんね。他人を何の躊躇もなく殺傷し、しかも自分は、警官に追われ、銃を突きつけられたら、ナイフを下に置いて落網したとのこと。少なくともその時点では、自分の命は惜しいと思ったのでしょう。勝手なやつだ。それなら、どうして他人の命の大切さ、尊さに思いがいかなかったのだろうか。
 殺された人たちは、さすがに秋葉原だけあって、若い人がほとんど。まだ20歳前後で、本来ならこれから50年以上も生きていかなければならない人たちです。その諸兄が将来の夢も計画も壊され、人生の味わいも感じることなく、前触れもなく前途を絶たれのですから、本人のみならず、育てた親御さんもには同情してあまりあります。小生自身は子供はいませんが、大学の教え子たちはちょうど殺された諸兄と同じ年ごろ。彼らに思いをはせれば、その無念さが伝わってきます。合掌、冥福。
 北朝鮮拉致問題でなんの新しい動きも見せないのに、今回、経済制裁の一部解除に踏み切った福田政権にも、腹立たしさを覚えます。外務省は、「北朝鮮が拉致の再調査を約束したから」と言って、一応正当化していますが、北はこれまで何度他国をだましてきたことか。1994年の米朝危機のとき、金日成はカーター元大統領に核開発放棄を約束しておきながら、平然と続けていた国ですし、日朝の約束事も履行されたことがありません。
 そういう国となぜ国交を急ぐのか。政治家が利権がほしいのか。よく分かりませんが、かの国は、これだけの善意を見せたから、これだけの見返りを期待できるということが通じないことは、十分理解しておかなくてはなりません。
 福田氏が自らの人気取りのために、”得意の”外交で点を稼ごうというハラなら、むしろ逆効果です。「人命は地球より重い」と言って、超法規的措置で聯合赤軍に屈服した父親同様、福田氏というのは、本当に国家の尊厳や主権意識がなく、外交センスがまったくない政治家以下の単なる田舎のおじさんです。
 ところで、秋葉原で殺傷事件があったちょうどそのとき、小生は奥日光の戦場ヶ原を散策していました。前夜、湯元温泉に泊まって湯の湖から湯滝、さらに戦場ヶ原へ。下の写真は、最初の湯滝をバックに撮ったもの。本来は男体山を登るつもりでしたが、日和ってハイキングになってしまいました。