つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

たばこ嫌いだが、値上げには反対

 最近、たばこの値段を1000円に値上げすべきであるという議論が出てきています。事実上、喫煙者を減らし、併せて税収を増やすという魂胆があるやに聞いています。小生自身は大のたばこ嫌いで、街で歩きたばこをしている人をみると、腹立たしい思いを持つほどですが、それでもたばこ代金の安易な値上げには反対です。なぜなら、喫煙を合法とする限り、その価格は喫煙者の嗜好への支払い能力を考慮した適正なものとし、喫煙者の権利を守るべきであると思うからです。実際、300円のうち170円くらいが税金で、この価格が果たして適正かという問題もありますが、1000円はべらぼうに高いです。
 小生が5年近く暮らした香港も、たばこの価格は旧宗主国のイギリス同様、かなり高かったのですが、それによってどういう現象が起こったか、よく見て知っています。大量のニセたばこが大陸で作られ、香港に闇ルートで入ってきたことです。すなわち、たばこの値段を上げると、闇の世界の人たちが喜ぶ構図が生まれているのです。禁酒法時代の米国でマフィアが暗躍したことを見れば、一目瞭然でしょう。
 これとは直接関係ないのですが、自由主義の国では、被害者が特定しにくい”犯罪”を取り締まるべきでないというのが小生の基本的な考え方です。典型的なケースとしてはわいせつ罪。見る人に不快感を与えるという点で被害者が存在する公然わいせつ罪はともかく、映画などでのポルノ規制は反対です。分別ある成人が特定の場所で見るだけでは被害者は発生しないのですから、こんなものは取り締まるべきではないと思います。
 同じように、売春なども、過度の取り締まりはやめるべきでしょう。需要と供給があるならば、原則、自由な取引に任せるべきです。管理性、強制性がない限り、被害者はいないはずですから、、。諸外国でも、オーストラリア、オランダなどかなりの国で公認であり、公認されることにより、彼女ら(彼らのこともある)から所得税が取れるし、しっかり労働権利が保護されることになります。非公認となれば、需要がある限り、供給が地下に存在することになり、逆に彼女らへの強制性が強まり、闇の世界の人たちをのさばらせることになるのです。つまらない道徳心を振りかざすことが、いかに社会を邪悪化させることになるか。
 たばこもそうですが、過度の規制は、結局、アンダーグラウンドの世界を潤わせることになり、税収増には結びつきません。たばこの値上げで、健康に害がある喫煙を減らそうなどという姑息な方法を考えるべきではない。健康に害があると分かっているなら、いっそのこと喫煙を非合法とすべきです。合法とする以上は、喫煙者の権利(価格も含めて)を考慮すべきでしょう。もちろん、非喫煙者に迷惑をかけないという範囲での権利ですが、、。
 下の写真は、ゴールデンウイークに長野県栄村に行ったときのもの。友人の家で現地の人たちとパーティーを開いたが、参加者は全員ノースモーカーでした。