つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

たばこ税額アップで増収図れるのか

 ちょっと旧聞に属しますが、12月中ごろ、与党による2018年年度税制改正大綱案がまとまりました。最終的にもこの通りになるという前提で案を見ると、個人への税負担が増す一方で、企業向けの増減はさほど変わっていないようです。個人向けで特に目立ったのがたばこ税の値上げで、1本当たり3円増額され、見込み増収分は2400億円程度になるといいます。愛煙家にはますますきつい選択が迫られる感じです。
 人は嗜好品からなかなか離れられないという観点からすれば、一般論として、たばこ税の値上げは安定財源を確保する上で結構な方法だと思います。でも1本当たり3円ップは大幅増。20本入りの紙巻きたばこなら60円の値上げです。今でも、400円の額が設定されているので、税額アップでついに一箱460円くらいになります。一日平均一箱吸えば、一カ月30日で1万4000円ほど、2箱吸っていれば2万8000円近い額になります。1年で見れば、毎日一箱で18万円近い出費であり、相当な負担です。
 そのくせ、屋内は言うに及ばず街中でもたばこを吸う場所は極端に限られています。先般、ある会合をご一緒した愛煙家のビジネスマンが、ビル中で吸えないので、街に出てすぐにたばこに火を付けた。一服して気分良さそうにしていたのに、前方を見て急にそわそわし始めた。前から警官が歩いてきたからです。「この区では条例で歩き喫煙が禁止されているので、警官に見つかると罰金を取られる」と彼は心配したのです。
 たばこ呑みは今、本当に肩身の狭い思いをしてその場所、機会を探っています。飛行場や駅頭などの喫煙場所を見ると、ノースモーカーの小生らからすると、「あんな狭い空間で、煙もうもうの中でよく吸っているわい」と驚きますが、彼らからすれば、それでも「公認の場所があった」と安心するらしいのです。断固嗜好を捨てない姿勢、あたかも江戸時代の隠れキリシタンのようで、実にご立派と言うしかありません。
 その上、今回、税アップによってまたまた値上げです。与党と政府はこの値上げによって喫煙者を減らし、健康被害をなくして医療・福祉予算を削りたいと考えているのでしょうか。それなら、ある種の嫌がらせ、圧力として値上げもいいでしょう。でも逆に、単純に増税を図りたいと考えているなら、1本3円の大幅アップはかなりの人を禁煙に走らせ、実質税収増にならない可能性もあります。
 たばこ税を値上げするくらいなら、あの石垣島に住む元女優のお姉さんが言っているように大麻を解禁し、これに税を掛けた方が良いように思いますが、、。彼女が指摘するように、大麻は現在でも医療用に使われているし、たばこに比べると健康被害はそれほどなく、後遺症もないとされています。政府が真に税収増を狙うなら、それも一つの案かなとも思います。
 世界を見ると、大麻マリファナ)の解禁国は結構あります。それでも日本が解禁しないのは、大麻はプライベート空間の中で栽培されてしまうので、税の徴収ができにくいと考えているからか。それとも何か別の理由でもあるのか。小生自身はこの種の嗜好に関わらないので、どうでもいいのですが、安定財源だけは減らしてほしくないなと思っています。

 上の写真は、年末、親類の法事で行った寺の境内にあった柿の木。