つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民主党は政権取る気あるのか

 民主党って、いったい何を考えているのだろう。まともに、政権を取ろうと思っているのかな。そういう疑問を感じさせたのは、小沢一郎代表が最近、ヒラリー・クリントン国務長官との会談や記者とのぶら下がりで日米同盟に言及、その中で「日米は従属関係でなく、対等な関係でなくてはならない」「米海軍の第7艦隊がいるだけで、米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」などと発言したこと。
 最初の方の発言は、実は小生も賛成です。しかし、対等な関係になるということは、日本も核兵器はともかく相当の軍事力を擁し、集団的な自衛権を当然のように有することが前提になります。日米安保が片務的なままで対等な関係などというのは、米国に対して失礼です。小沢発言は当然、日本の現在の軍事力の不十分さを指摘し、今後の充実を目指そうとしているのかと思い、「民主党もやるな」と思いました。
 だが、鳩山幹事長がつかさず、「日本の軍事力の増強を目指すものではない」などと打ち消しに走りました。党として一貫性がありません。鳩山氏は、次期総選挙に配慮して、「非武装中立」などとおよそ国際政治が分からない、現実離れを主張する社民党にすり寄ったとしたら、取り返しのつかないことになると忠告しておきましょう。多くの日本人は、北朝鮮や中国の軍事力の前にひれ伏すような奴隷の平和は望みません。社民党にすり寄るような政党だとしたら、政権政党としてはふまじめだし、選挙民も投票をためらうでしょう。
 第7艦隊というのは、小沢代表がどの程度の知識で言われたのか分かりませんが、艦隊だけに依存するのは、第二次世界大戦以前のワシントン会議、ロンドン会議をやっていたころの発想です。時代はすでに、空軍力、宇宙軍事力に移っており、それがたとえ空母を含むにしても海軍力だけでは無理です。少なくとも、日米が中国、北朝鮮を暗黙の仮想敵国とするならば、沖縄その他にある空軍力、あるいは緊急展開部隊の存在は欠かせないでしょう。
 人間にとって大事な空気でも、当然のように存在していると、そのありがたみが分からないと同じように、物理的なパワーというものがどれだけ国の安全に貢献しているかは分かりにくい。ただ、分からないから存在を認めない、却って「平和に逆行する」などという暴論はもうやめてほしい。もし日本の軍事力を否定するのであれば、どうかそれと同じように、中国や北朝鮮の軍事力の廃絶を主張してください。パワーバランスが壊れた状態が国家関係をどれほど危うくするかは歴史が証明しており、政権を取る可能性がある民主党はどうかそれを肝に銘じてほしいと思います。
 下の写真は、東京財団で行われた「アジア文化研究会」2月例会の様子。山本悦夫氏がプロジェクターを使って、ガルーダ、鳥とヘビの造形について文明史的視点から発表しました。