つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

おつな寿司セミナ―の故事来歴

 再三、このブログでも取り上げた、小生の参加している勉強会は「おつな寿司セミナ―」といいます。寿司セミナ―というと、一見、寿司の作り方を教える職人の養成教室のような感じを与えますが、そうではありません。かつて、渋谷の中央街にあった「おつな寿司」という寿司屋の2階の座敷で、寿司を食いながら、いろいろなゲストのスピーチを聞いていたことから、この名がつきました。
 このセミナー、もう何年続いているのでしょうか。小生が北京に赴任していたときにスタートしているから、26、7年は経っているいるはずです。小生が通信社の記者として1970年代、東京都庁担当しているときに知り合った当時、東京タイムズ記者の後藤喜兵衛氏が80年代に、文化部系の記者を集めて開いたのが始まりと聞きます。小生は北京から帰って後藤氏に会い、参加を誘われました。ですから、小生自身の出席は85年ごろからです。
 その後、香港に行っている間をぬかして、ほぼ常連メンバーとして参加しています。もともとマスコミ関係者で作った会ですから、参加者はマスコミ人、大学関係者が多いのですが、スピーチに来てくれた方が今度はリスナーとなって出席することもあります。スピーカーは参加者が知り合いを呼んでくる形が多いのですが、もちろん参加者自らがスピーカーになることもあります。ここで扱うテーマは森羅万象で、政治、経済、国際、社会、文化、何でも俎上にのぼります。要は、事前連絡でスピーチのテーマを見て、興味を持ったら来ればいいわけです。
 3年ほど前に、渋谷のおつな寿司は廃業し、店がなくなったため、あらたな場所として日比谷の日本プレスセンター会議室が使われるようになりました。まあ、寿司屋の2階に比べて、プレセン会議室の方がいかにも講演会という感じはするのですが、昔のように座敷に車座に座り、寿司をつまんで、一杯飲みながら、談論風発するという感じがなくなったのは、ちょっと残念な気がします。
 下の写真は、2月定例会にお越しいただいたノンフィクション作家の石井妙子さん。京都と東京に「おそめ」というクラブを開き、大勢の文化人、政治家がひいきにしたというその筋では有名な女性の人生をまとめた本(題名、おそめ)を出版された方です。石井さんは着物姿で取材するという異色の人で、たいへん興味深い話をうかがいました。