つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

小沢氏の達成目標テーマは本当か

 小沢一郎なる人物は政治家としていかがなものか、やはり権力欲のみあって気品のない政治家ではないかという印象を持っていることは再三書きました。8月末の代表選で自らの推す候補者が一敗地にまみれ、もう過去の人になったと小生は思っていたのです。ですから、あまり触れたくなかったのですが、今回の小沢裁判の初公判のあと、記者会見での記者を脅すようなふてぶてしい態度、さらにはこのあと取り巻きの議員を集めて宴会を開いたという記事を読み、いささかまたまた見解を述べてみたくなりました。
 記者会見での開き直りは、これはある種、裁判の理不尽さを怒ってるというより、今後の展開がどうなるかが読み切れない、ひょっとすると有罪になるかもしれないという恐怖感の表れでしょうね。人間、怖いときにはえてしてその怖さを隠すために居丈高に出ます。会見での彼の発言内容、態度を見ていると、そう思わざるをえません。
 それにしても、小沢氏には相変わらず、取り巻き議員がいるのには驚き、いささか敬服いたしました。彼が民主党の幹部にカムバックする可能性はもう限りなくゼロに近く、議員たちにとって今後の選挙に彼の貢献はほとんどなく、逆に親しければ選挙民の反発さえ買いかねない状態でしょう。つまり、彼と付き合うことの損得勘定でみると、決してプラスにならないと思います。それでも、取り巻きがいるということは、彼はそれなりの魅力がある男なのでしょうか。それとも、取り巻きはゼネコンからもらった金のおこぼれ頂戴を期待しているのでしょうか。
 きのうの日経新聞夕刊に森喜朗元首相のインタビュー記事が掲載されました。2007年、当時の福田康首相に小沢民主党代表が自民、民主の大連立を持ち掛け、一時両党で基本的合意に達しことがありましたが、森氏は、その舞台裏について語っていました。そこで面白かったのは、森氏が小沢氏に「なぜ大連立したいのか」と聞いたところ、小沢氏は「(消費税のアップによって)税と社会保障の一体化を図りたい、憲法改正をしたい、選挙制度の改正をしたい(たぶん中選挙区制度に戻すこと)」との具体的な達成目標テーマを示したというのです。
 この3つのテーマは小生もぜひ実現してほしい政治的テーマであり、あのとき大連立が成ったら、実際にこの3つは成っていたかもしれないと思うと、今さらながらちょっと残念な感じがします。しかし、実際、小生は、小沢氏がその3点について明確に語っていたことを寡聞にして知りませんでしたし、それどころか彼からはぜひやりたい具体的な政治目標などぜんぜん見えてきませんでした。ですから、森氏がそんなことを”暴露”してもにわかに信じられません。
 森氏はまた、小沢氏が大連立で副総理ポストを要求したと話しています。小沢氏はむしろ野党代表でいるより、そうした政府内の実質権力がほしかっただけではないかと小生は分析しています。いずれにしても、終わった政治家について語ることはそれほど意味があるとは思えませんね。すみません。
 下の写真は、ハルビン市平房区にある731部隊の遺跡での一枚。前回の写真で背景にあった部隊本部跡は現在、博物館になっており、二階の一番奥にあるこの部屋は同部隊の石井四郎隊長が使っていた部屋であったそうで、今や復元され、彼らの蝋人形もありました。石井隊長は小生の母校千葉高校の旧制中学校時代の卒業生。まるで生きているような石井”先輩”と対面して、いささか複雑な心境になりました。