つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

そつがない小泉進次郎氏は期待できる

 小生は、ジバン(地盤)、カンバン(ネームバリュー)、カバン(金)を親父などから引き継ぐ二世議員というのが好きではありません。選挙では圧倒的に有利で、他候補はハナから不公平な競争を強いられます。本来ならば、引退する議員の二等親以内、配偶者などは、議員の選挙区ではなく、他の選挙区から出るよう制度を作り変えるべきであると思っています。
 その観点から言えば、小泉進次郎氏などは、ひい爺さんから国会議員をしており、しかもひい爺さんも爺さんも閣僚経験者、さらには父親は長期に首相の座にあった人気政治家となれば、サラブレッド中のサラブレッドと言えますから、不平等の権化のような存在でしょう。そんな人が出てくれば、同じ選挙区に出る人はびびってしまいます。あの民主党風が吹いた総選挙でも、対立候補の弁護士を破り、新人ながら堂々の当選ですから、もう彼には選挙の心配など要らないでしょうね。
 その小泉氏が今回、復興担当の政務官に就いた由。大震災の津波被害、放射能被害に遭った東北地方の復興に関心を持ち、自民党青年局長のときから再三東北地方を訪れ、励ましていた彼からすれば、打ってつけのポストと言えましょう。小生も関心を持って見守っていますが、最近の彼の行動、発言は、小生が本来持っていた二世議員に対するイメージをちょっぴり変えてくれました。
 これまで見たところでは、小泉氏はなかなか隙のない政治家ではないかと思っています。父親が最近、原発ゼロを言い始めたので、取り巻きのマスコミは、何とか彼も父親と同じ意見にさせ、閣内の齟齬を引き出そうとしています。ですが、今回政務官として初めて福島を訪れた際、彼はそんなマスコミの罠にはまらず、「世の中には理想と現実があり、理想も大事だ」として父親の意見を尊重しながら、「閣内の一員として現実的なことにも対処していかなければならない」と、聴衆をうならせるような発言をしていました。
 これは、すばらしい対応だと思います。政治というのは、マックス・ウェーバーが「職業としての政治」の中で言っているばかりでなく、エドワード・ハレット・カーも国際政治関連の書の中でも指摘しているように、現実と理想のせめぎ合いなのです。理想だけでも駄目、現実対処だけでも駄目、その兼ね合いが難しいのです。野球ばかりしていたと言われる小泉進次郎氏がそこまで勉強していたのかという思いで、えらく感心しました。
 まあ、二世議員には残念ながら、親の金とネットワークを使って当選しながら、女性問題で恥をかいた病院経営者の息子もいました。そんな類の二世議員に比べれば、小泉氏はかなり期待の持てる政治家でしょう。
 下の写真は、10月8日開かれた台湾・双十節のパーティー会場に飾られた花輪。創価学会名誉会長の花輪がひときわ大きく飾られていました。この団体は中国一辺倒でなく、台湾にも気配りされているのですね。