つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

豚フルーは騒ぎすぎでは!?

 メキシコ発の豚インフルエンザで、世界が大騒ぎしています。考えてみれば、インフルエンザなんて、毎年冬流行して、日本でも多くの患者が出て、少なからず犠牲者も出ています。今回の豚フルーは、毎年はやる香港型などに比べて毒性が弱いって言うのに、世界が神経質になっています。他人事のように見れば、新種でワクチンがないから大騒ぎも仕方ないのでしょうが、それにしても騒ぎ過ぎの感がしてなりません。
 ウイリアム・マクニールという文明史家は、病原菌と戦争はよく似ていると言っています。それは、いずれも人間に「寄生するものであるからだ」としています。理解しておかなければならないのは、細菌も戦争も有史以来、そうした寄生現象によって地球上の人口調節の役割を果たしてきたことも事実です。第二次世界大戦では3000−4000万人規模で死者が出ていますし、それ以前に流行ったスペイン風邪は5000万人が亡くなっていると言われています。
 それが、20世紀の半ばから大規模な戦争はなくなり、細菌の方も医学の進歩で抑制され、AIDSでも、SARSでも、鳥インフルエンザでも新種の細菌が出てきていながら、爆発的に流行して、数千万人単位で人の命を奪うことはなくなりました。ま、人が死なないということは単純に見れば、幸せなことです。
 だが、世界の人口を見ると、すでに67億人を超えており、このままいくと2050年には90億人になると予測されています。一説によれば、有機体の自然の浄化を前提に計算すると地球のキャパシティーは36、7億人程度だそうで、これ以上住むと地球は限りなく環境破壊されていくというのです。現に、人間以外の生物はキャパシティーの中で数が抑えられているように思えます。平和が続くことは無前提にいいことなのでしょうが、その反面、地球が悲鳴を上げている現実があることを少しは考えておかなくてはならないでしょう。
 最後に多くの人は、常識的、楽観的、希望的に考えて、「いくら人口が増えようと、人間には叡智があり、必ずや多くの人間が住めるような地球になるだろう」と独りごちて、それ以上考えることを止めるはずです。そうしないと、限りなく虚しく、さみしくなってしまうからです。
 下の写真は、コールデンウイーク初日、天気がよかったので、内人と犬を連れてみなとみらい地区から山下公園方面まで散歩、その際撮った係留船「日本丸」の雄姿です。